JA県経済連肉用牛課奄美市駐在は20日までに、5月の大島地区子牛競り市結果をまとめ、公表した。子牛市況の総平均は53万8288円で、前回(3月)比2万7136円高と上昇が続いている。なかでも雌の伸びが著しく、「全市場、雌の引き合いが特に強いと感じる競り市だった」としている。
今回の競りは6日の与論市場から始まり、各島の市場を北上し、11日の奄美大島と喜界島で終了。全体の入場頭数は1979頭(雌869頭、去勢1110頭)で全て売却。平均価格は雌47万8247円(前回比4万3035円高)、去勢58万5132円(同1万6560円高)といずれも上昇した。
合計平均価格にかかわる市場ごとの順位をみると、与論の55万331円を筆頭に、沖永良部、徳之島、奄美大島、喜界の順。購買者から見た子牛評価の指標である平均単価(キロあたり)で市場を格付けすると、与論の1971円を筆頭に、沖永良部1959円、喜界1891円、徳之島1837円、奄美大島1726円の順。競り日齢にかかわる市場ごとの若齢順位は、喜界251日、沖永良部263日、与論270日、徳之島274日、奄美大島275日の順となっている。
子牛市況について同駐在は「県内ないし、全国的に子牛相場が上がり、素牛(もとうし)確保のため、大島地区に来島する購買者が散見された」と指摘。新規の購買者こそ少なかったが、久しぶりに来島の購買者の影響を感じたという。
購買の傾向として▽枝肉重量の見込める牛、産歴の若く血統の良いものが高値で取引▽商品性の低い牛(過肥牛、骨量のないもの、フレームのないもの)は、価格が伸びず▽体重の重いものが高く取引されているのではなく、骨格のしっかりしたもの、腹袋の充実したものが高く取引―を挙げる。同駐在は「今回の競り市では、特に過肥牛が目立った。子牛価格も上昇したことで、濃厚飼料を多給し、余分な脂により体重がかかっている個体が多い印象を受けた。子牛価格に反映されていない」として、日頃から徹底した管理で商品性の高い子牛づくりを呼び掛けている。