大島支庁 小湊小で土砂災害出前講座

模型を使った土石流の実験に見入る児童ら(小湊小学校)

「日頃の備え」「早めの避難」学ぶ
講話、模型使い実験も

 奄美市名瀬の小湊小学校(池野吉寿校長、児童10人)で21日、県大島支庁の職員らによる土砂災害出前講座があった。2024年に鹿児島県は土砂災害発生件数が全国7位(46件)となった中、児童らは自分の命を守るため「日頃の備えと早めの避難」を学んだ後、県土砂災害ジュニアマスター認定書が交付された。

 同講座は、防災教育の推進を目的に県が毎年開催。25年度は、奄美群島で16校の小中学校で出前授業を予定している。

 大島支庁建設部建設課河川港湾第一係技術主査の宮前博隆さんによる講話では、土砂災害の種類や原因、事前の備えと早めの避難について説明。この中で、土砂災害に遭わないために▽土砂災害の発生する恐れのある場所を知る▽いつ逃げればよいか(逃げるタイミングを知る)▽どこに逃げればよいか(避難場所)を知る―などを学んだ。

 講話後、ビー玉を土砂に見立て、土石流の実験が行われた。砂防施設の有無の違いで、家屋の被害の実験を見た児童からは「砂防施設は壊れたりしないか」「土砂崩れがあった場所はまた崩れたりするのか」などの質問が上がった。

 講座終了後、同部の佐多悦成(よしなり)部長から児童代表として向島あんりさん(6年)に県土砂災害ジュニアマスター認定書が交付された。佐多部長は「自分の命は自分で守る。皆さんがここで学んだことを家族や近所の人、友達に教えて、みんなで命を守りましょう」と呼び掛けた。

 最後に児童代表の山城正君(5年)はお礼の言葉を述べた後、「土砂災害は一度起こったからと油断せず、避難した後はその場所に戻らないように気をつけていきたい」と語った。