日本ジオパーク委員会の公開プレゼンテーションで認定に向けての決意を語る隈崎町長(提供写真)
日本ジオパークに認定申請している「喜界島ジオパーク推進協議会」(会長・隈崎悦男町長)は24日、千葉県の幕張メッセで開かれた第54回日本ジオパーク委員会の公開プレゼンテーションに臨んだ。隈崎町長らが壇上で構想を発表し、1次審査を通過した。今後は、夏頃に専門委員による現地調査が行われ、結果を踏まえて年内にも認定の可否が決まる。
認定に必要な申請書は、今年4月23日に提出した。申請書では、見どころとなる25のジオサイトを設定し、島全域と沿岸海域を含めた148平方㌔㍍の面積を領域に指定。今回、国内で新規申請した地域は喜界島1地域のみで、千葉県で行われた委員会には隈崎町長をはじめ、同協議会の評議委員や事務局の関係者8人が出席した。
公開プレゼンテーションの発表時間は15分。「喜界島ジオパーク構想」と題し、地質の特徴や活動状況、それらにまつわる地域の自然や歴史、文化などの価値や魅力を、委員を前にアピールした。協議の結果、2次審査にあたる現地調査に進むことが決まった。今年6~9月の間に専門委員が喜界島を訪れ、地質や地形、地域資源への活用などを評価するという。
委員からは、世界でも希有(けう)な隆起サンゴ礁の島に羨望の声も上がったという。隈崎町長は「メンバーがしっかりと質問にも答え、意気込みを伝えることができた」とプレゼンテーションを振り返り、「島民が島の貴重な価値をしっかりと認識し、子どもが未来に誇りをもって成長していける形になれるよう、今後も地道に進めていきたい」と気を引き締めた。
日本ジオパークは、貴重な地形や地質を保全し研究や教育に生かす地域認定プログラムで、1月27日現在、「霧島」「桜島・錦江湾」「三島村・鬼界カルデラ」の鹿児島県内3か所を含め、全国48の地域が認定されている。
喜界島は、10万年前にサンゴ礁が隆起してできた島で、地球の成り立ちが分かるなど、地質学的に重要な地域とされている。町は2018年6月に構想検討委員会を立ち上げ、23年6月からは推進協議会として、日本ジオパーク認定に向けた取り組みを進めている。