共生へ福祉フェスタ開催

東ちづるさん(右)と水戸川真由美さんが共生社会について対談した

車いすや高齢者疑似体験など多くの出店が会場を盛り上げた

瀬戸内町「福祉週間」制定記念
東ちづるさんのトークショーも

 全ての人が安心して暮らせる地域共生社会を目指す市民参加型イベント、「2025せとうちフクシ未来フェスタ」(瀬戸内町福祉まつり実行委員会、瀬戸内町主催)が24、25の両日、同町のきゅら島交流館であった。食品や工芸品などの販売や高齢者疑似体験コーナーなど、福祉施設や福祉関係団体など25事業所が出店。講演会やステージイベントなどで、町内外から訪れた多くの人が楽しむとともに、福祉について考える2日間となった。

 今年度、同町は毎年5月の第4週を「福祉週間」に制定。年齢や障がいの有無を超えて尊重し合い、安心して暮らせる福祉の町を目指す。福祉週間制定を記念しての初開催となった同フェスタについて、鎌田愛人町長は「福祉について町民が考え、学ぶ、良い機会にと思い開催した。多くの人が来場し、障がいや多様性について考えてくれて良かった」とし、「イベントの開催にとどまらず、各種団体と協力し、福祉の町を目指す」と語った。

 24日は、「福祉週間」制定記念式典として、3人の専門家が登壇した講演会や健康ブース体験コーナーが会場を盛り上げた。

 25日は、俳優で社団法人Get in touchの理事長、東ちづるさんのトークショーやステージ発表、マグロの解体ショー、出店ブースに多くの来場者が詰めかけた。

 東さんは、「〝まぜこぜの社会〟をわくわくエンタメで目指す」をテーマにトーク。LBGTQについて「自分の周りにはいないと思わず、性差別のない誰もが傷つかないような質問や言葉遣いを心掛けて」と話し、障がい者に対しては「遠慮は必要ない、配慮が必要」と呼び掛けた。トークショー後は、財団法人日本ダウン症協会理事の水戸川真由美さんとの対談もあり、200人以上の観客を引き付けた。東さんが企画・構成・プロデュースを手掛け、障がい者やLBGTQが出演する、映画「まぜこぜ一座殺人事件」は31日と6月1日、奄美市名瀬のブックス十番館シネマパニックで上映される。

 東京で福祉用具専門相談員などを務める田村房義さんは「40年以上福祉関係の仕事に携わってきたが、共感することが多いトークショーだった」と語った。

 奄美市名瀬から来場し、車いすの試乗体験をした加藤紗那(さな)さん(8)と翔琉(しょうり)君(6)の姉弟は「初めてで動かし、難しかったが楽しかった」と笑顔。父の大智さん(36)は「子どもたちが興味を持つとともに、疑似体験もできる良いイベントだった」と話した。