33年目の天城町教科セミナー開講

今年も中学生のみ対象となった天城町教科セミナーの開講式(受講生代表あいさつ)=5月31日、天城町役場ホール

中学生29人が参加
小学生は今年も休止

 【徳之島】天城町教育委員会が主催する2025年度の学力向上対策「教科セミナー」の開講式が5月31日、同町役場であった。33年の歴史を誇る同セミナーだが、小学5・6年生も対象としてきた小学生部門は昨年に続き今年も「休止」となり、中学生のみ計29人(前年度比8人減)が受講登録した。

 同町教科セミナーは、1989(平成元)年度の「教育文化振興の町」宣言を受け、学力向上対策として92年度にスタート。児童生徒に課外学習の場を提供し、主体的な学びの習慣を育てることなどが目的。土曜日の午前9時から正午まで、国語・数学・英語の3教科を50分ずつ指導。役場会議室を中心に来年2月28日まで全20回を予定しており、今年も町立小中の現役教員やOBら10人が講師を務める。

 開講式には受講生や講師陣、保護者など約35人が出席。院田裕一教育長はあいさつで「中学生のセミナー参加率を現在の19%から30%へ引き上げたい」と目標を示した上で、「中学3年間は人生で最も成長できる『ダイヤモンドの3年間』。将来に向けて前向きに取り組んでほしい」と呼び掛けた。

 講師陣への委嘱状交付に続き、英語担当の郡山大輝氏(天城小教諭)が「セミナーは良質な教材を無料で利用でき、仲間と共に学ぶことで時間を有効に活用できる。行動すること自体が素晴らしい」と受講生たちにエールを送った。

 受講生を代表して登壇した天城中3年の里山未來さん(14)は、小学5年時からの参加を振り返りながら、「高校受験は人生の大きな分岐点。セミナーは互いに学び合い、高め合える場。志望校合格後は、感謝の気持ちを大きな声で伝えたい」と力強く決意を語った。

 一方、小学生の募集休止が2年続き、受講者総数(ピーク時は100人超)も激減したことに、町教委の担当者は「中学生の学力が二極化する傾向にあるため、重点的な指導が必要と判断した」と説明。クラスは習熟度別に分けて実施されるという。