万博で奄美の魅力発信

奄美の生物多様性について紹介した平城さん


作文表彰後、司会の有働由美子さんにインタビューを受けた脇田さん(前列左は中尾さん)

「千の自然・千の時間」
世界自然遺産5地域会議生物多様性を紹介

 【関西】世界自然遺産5地域会議は5日、大阪府大阪市此花区の大阪・関西万博会場内EXPOホール「シャインハット」で、各地域の人と自然の共生について発信するイベント「千の自然・千の時間」を開いた。約4千人が来場する中で映像・トーク・伝統芸能などさまざまな角度から各地域を紹介。奄美からは奄美市立奄美博物館学芸員の平城達哉さんが登壇し、奄美大島・徳之島の生物多様性を紹介した。

 同会議は2023年発足。国内の世界自然遺産に登録された5地域と周辺の23市町村と2団体からなる。相互連携による遺産の価値や日本型の自然保護システムの発信、各地域の持続的発展を目的としている。

 同イベントも日本型の自然保護システムの特徴にあたる「共生」と「環境文化」の世界への発信が主目的。▽子ども作文コンクールの授賞式▽大型映像とトーク▽芸能パフォーマンス▽国際シンポジウム▽クロージング―の5プログラムで構成された。

 子ども作文コンクールの授賞式では古仁屋中2年の脇田勇波さんが各地域を代表し、作品を朗読。『白ありがとぶ夜』で受賞した亀徳小3年の中尾茉莉乃さんも登壇。審査員で鳥類学者の川上和人さんから「白アリがたくさん飛ぶのは大人から見れば嫌だと思うが、それも自然の一部だと捉えて書いていて、自分が勉強させられた」と評価を受けた。

 大型映像とトークではTBSテレビ番組「世界遺産」から映像引用。各地域ゆかりの登壇者が遺産地域の紹介を行った。奄美大島・徳之島については平城さんが種の多様性について分類ごとに解説。課題として▽外来種▽密猟▽ロードキル(交通事故死)―などを挙げ、マングース根絶宣言などの取り組みを発表した。

 大舞台での発表後、平城さんは「緊張することなく楽しく発表できた。奄美にはこんなにもたくさん、ここだけにしかいない生き物がいるということを発表したくて話した」と振り返った。芸能パフォーマンスとシンポジウムについては7日付紙面に掲載予定。