多くの友情出演・賛助出演を交え盛り上がった第20回徳之島高音楽部定演=8日、徳之島町文化会館
【徳之島】県立徳之島高校音楽部(幸多優顧問、部員9人)の第20回記念定期演奏会が8日、徳之島町文化会館ホールであった。創立20周年を迎えた新設校の歴史を音楽で振り返りつつ、「未来に向かって Re Start(再出発)」をテーマに、部員たちは日頃の練習の成果を披露。卒業生ら8団体の友情・賛助出演も加わり、約400人の観客を魅了した。
指揮を執ったのは、今春18年ぶりに母校へ音楽教諭として戻ってきた幸多優氏(60)。鹿児島サクソホン教育研究会会長、日本吹奏楽指導者協会県部会副会長も務めるなど、吹奏楽界の重鎮で伊仙町の出身。県立川薩清修館高校校長を役職定年して再び教壇に立ち、部員たちへの熱心な指導に情熱を注いでいる。
演奏会は音楽部OB会らのパーカッション演奏応援も交えた「小さな祝典音楽祭」(後藤洋作曲)で開幕。3年生で部長の源由愛さんは「心配もあったが、音楽部の活動を未来に向けて続けていきたい」と力強く語った。
演奏は三部構成で、第1部「過去を振り返って」では、県高校音楽祭で披露したアラジンメドレーや、代々の部員が作詞した「徳之島ブギウギ」を7バージョンで合唱。第2部「現在をみつめて」では、徳之島混声合唱団との共演で、幸多氏が20年前に作曲した現校歌(関琢夫作詞)をしみじみと歌い上げた。
第3部「未来に向かって」では、生徒会や蔵越エイサー隊、野球部、ダンス同好会なども加わり、地域と学校が一体となった盛り上がりを見せた。徳之島吹奏楽団や亀津中学校吹奏楽部、徳之島高校音楽部OB会らも賛助出演して盛り上げた。
幸多教諭は「人数が少なくショックだったが、個々の能力は高く、島の子どもたちは素直で吸収も早い。彼らの可能性をもっと広げていきたい」と語った。
観客の60代男性は「吹奏楽は小中学校では盛んだが、高校では減少傾向。少子化や島外進学の影響もあるが、その復活と地域の音楽活動への尽力にも期待したい」と話していた。