JAあまみ徳之島 パッションフルーツ収穫式

増収効果を実証した「つり上げ仕立て」のパッションフルーツハウスで開かれた収穫式=12日、天城町天城

「つり上げ仕立て」増収効果実証

 【徳之島】JAあまみ徳之島地区果樹部会(貞山博一会長・12戸)主催の2025年産パッションフルーツ収穫式が12日、天城町天城の貞山会長(42)のハウスであった。新たな「つり上げ仕立て」栽培法により、着果率と単収が向上する成果が実証されたことから、生産者らは共販目標2000キロ(約260万円)達成に向けて意気込みを新たにした。

 収穫式は今年で3回目。JA関係者や県、町など関係機関を含め約50人が参加した。主催者あいさつで貞山会長は「島外への販路拡大が徐々に進み、徳之島ブランドの認知度も向上している。今後もパッションフルーツの魅力を多くの人に届けたい」と意欲を語った。

 続いてJAあまみ徳之島事業本部の平山正也統括理事と、県大島支庁徳之島事務所農業普及課の松本徹課長が来賓あいさつ。パッションフルーツは鹿児島県が全国生産量の約65%を占め、特に徳之島産は品質の高さが評価されている。栽培面では、冬場の弱い日照でも効率的に光合成を促す地域的メリットも強調。6月10日の「パッションフルーツの日」登録を申請中であることも紹介した。

 共販目標は昨年実績(1970㌔・278万円)を上回る2000㌔・260万円。契約販売を中心に、関西市場や島内直売・宅配での展開を予定している。安全・安心な農産物の供給に向け、生産履歴の記録や残留農薬検査の徹底も確認した。

 技術面では、同農業普及課の能口憲彦技術専門員が「つり上げ仕立て」の実証成果を報告。従来の「つり下げ式」と比べ、キュウリネットに側枝を斜め上方向に誘引することで着果量が約3割増加する効果が示された。一方で、収穫期が集中することによる作業負担の増加も課題として挙げられ、栽培規模に応じた両方式の併用も推奨した。

 主力品種は「ルビースター」。収穫は6月に1200㌔、7月600㌔、8月200㌔を見込んでいる。