グループに分かれて議論する警察と消防の職員ら(13日、奄美市名瀬の大島地区消防組合本部)
奄美署と大島地区消防組合は13日、警察・消防合同研修会を奄美市名瀬の消防組合本部で初開催した。奄美署17人、大島地区消防組合本部と名瀬消防署の職員23人の計40人が参加。火事や災害、事故などの際に両機関の対応方法を討論して発表。質疑応答などで理解と互いの親睦を深めた。
合同研修会は警察と消防の連携強化や地域住民の安全を守るために相互に協力し合う両機関の役割などを学ぶことが目的。会は前半・後半の2部制で前半は奄美署によるカスタマーハラスメントに関する講話を実施。後半では四つのグループに分かれて、①交通事故を含む各種災害の初動対応や警察・消防が気をつける点②火災調査関係や加害、その他での初動体制や留意点の二つのテーマで互いに討論を交わし、グループごとに発表した。①については「カメラなどで状況を取っておく」、②については「加害の場合、警察の方に来てもらい、加害を止めてもらうこと」などの意見が出された。
発表後、補足で消防側からは交通事故の際、ほとんどの場合で車から液体が漏洩(ろうえい)しており、液体を判別する方法として、手袋を外して手で液体をぬぐうとすぐ蒸発するものがガソリンであり、引火点も低く、注意が必要なこと、海難事故の場合、消防と海上保安部は連携していることを説明した。
警察側からは火災時の初動としてまずは避難誘導も兼ねながら逃げ遅れた人の有無、負傷者の確認を優先し、交通整理も実施していると説明。田中聡奄美署長が「屋内の現場で室内に入る時、可能な場合、シューズカバーを着用してほしい。人間の汗やつばの1滴や血痕からでもDNA検出が可能となる。また、医師の搬送や救急車への警察官の同乗も要請していただければ可能。現場で迷った場合はまずは通報してほしい」と語った。
研修会に参加した大島地区消防組合本部の警防課救急係長の和田賢昌消防司令補(41)は「住民の安心・安全のために同じ目線で一緒になって活動していることに改めて気付いた。今後も協力体制が密になっていく期待感がある」と語った。
警察・消防合同研修会は今後も実施していく予定。