大島高校で「奄美学講座」

「奄美学講座」では、自治体担当者から地域ごとの課題や政策について聞いた(18日、奄美市名瀬の大島高校)

市町村政テーマに講義

 県立大島高校(堂薗幸夫校長、生徒634人)で18日、1年生を対象にした「2025年度奄美学講座」があった。奄美大島5市町村の自治体職員が講師となり、地域の抱える課題や問題点、市町村の取り組みなどを講義。生徒は、10月に行われる総合的な探究の時間(ST)での発表に向け、グループごとにテーマを決め、探究活動へとつなげていく。

 STは、生徒自身が探究する課題を設定し、総合的な学びを行う時間。同校では、郷土に対する理解を深め、地域課題を多様な視点で考察することで、地域の担い手としての自覚を育むことを目的に実施している。11日には、県の統計資料(データ)を基に、産業構造や福祉に関する課題を読み解く授業も実施された。

 この日の講座は、5市町村の総務課や企画課の担当者が「総合計画」などを素材に、自治体の課題や短中期的な取り組みを解説。

 龍郷町は、総務課の盛島洋也主査(34)が「25年度施政方針」を基に、主要施策の概要を説明。同町出身の生徒を中心に35人が聴講した。

 盛島さんは、同町の人口動態について、「20年後の45年には約21%減の4593人と推計されている」と切り出し、人口減少がもたらす影響や課題として、▽人手不足▽子育て環境▽高齢者支援▽空き家問題―などを上げた。

 町長が示した「施政方針」には、これらの課題に取り組むための基本的な考え方や政策が書かれているとして、新聞紙面やホームページで確認し、町政に関心を寄せてほしいなどと求めた。

 同町からバス通学しているという當田夢香さん(15)は「身近な問題に、土・日のバスダイヤがある。部活で利用するが、乗り継ぎが必要で待ち時間が長い。市と町合同で改善してほしい」と話した。STのテーマについては、同町が独自で取り組み実績を上げている「教育民泊」を考えているという。

 生徒は今月中にグループごとのテーマを設定し、「論理展開」の講義を受けた上で、ポスター制作や発表会に向け探究を深める。