施設前でテープカットする鎌田町長(写真中央)ら(21日、瀬戸内町加計呂麻島・瀬相港)
7日にオープンする加計呂麻ターミナル
式に花を添えた加計呂麻島エイサー
瀬戸内町が加計呂麻島の瀬相港において整備を進めてきた「加計呂麻ターミナル」の落成式・完成祝賀会が21日、同ターミナルであった。鎌田愛人町長や地元住民ら約90人が出席。地域の観光・交流拠点としての門出を祝福した。施設は7月7日から稼働する。
同町によると、同ターミナルは鉄筋コンクリート造りの平屋建てで延べ床面積430・21平方㍍。16台の駐車スペースがある。施設は2021年度に地質調査や基本設計に着手。22年度に実施設計と再度地質調査を実施。23年度に駐車場を整備。24年度にターミナル施設工事に着手し、今年2月14日までを工事期間とした。現在使用している待合所は今年度内に解体し、跡地は駐車場とする。整備には国の奄美群島振興開発特別措置法の推進事業などを活用。総工費は6億2000万円。
施設内はや車イスでも利用しやすいバリアフリー設計で、レンタサイクルや電動アシスト付き自転車(Eバイク)などを貸し出すスペースのほか、授乳室、多目的スペース、公衆無線LANや、フェリー欠航時に野菜、果実を一時的に保管できる冷蔵設備や役場との遠隔相談窓口スペースを設置したほか、西阿室郵便局を同ターミナルに移転し、「かけろま瀬相郵便局」としてオープン。同局の窓口で役場へ来庁せずに住民票や納税証明書などが受け取れる住民サービスを町が同局に業務委託する。
落成・祝賀式典には鎌田愛人町長を始め、安田壮平奄美市長(代理)ら奄美大島の首長や県大島支庁瀬戸内事務所の上捨石斉宏所長などの来賓が出席。
式で鎌田町長は「本ターミナルは地域住民や船舶利用者等の快適性、利便性を図り、観光交流機能、行政機能を備えた拠点施設となる。また、農産物の保管・冷蔵庫整備により、品質の維持や生産性の拡大等につながる。事業に携わった全ての皆様に感謝を申し上げる」などとあいさつ。
来賓を代表して上捨石所長は「このターミナル施設の完成によって、島民の生活安定の向上が期待されている。陸上・海上ネットワークの円滑化で、島内外から多くの人が訪れることにより、交流人口が増加し、定住促進が図られるなど地域の活性化を期待している」などと祝辞を述べた。
式では祝い唄を町議の永井しずの氏が「朝顔節」を披露。瀬戸内町吹奏楽団がじゅまるや加計呂麻エイサーも出演して、花を添えた。
式に出席した茂岡保久西阿室区長(70)は、「自分たちの集落から郵便局が消えることで集落民としては寂しいし、その都度このターミナルに来なければならない不便さもある。だけど、全体を考えてみて、ターミナル稼働を機に、加計呂麻島全体が良くなってくれたら」などと語った。