生産向上に向けた助成取り組みなどが説明された奄美市サトウキビ振興対策協議会の総会
奄美市サトウキビ振興対策協議会(会長・安田壮平市長)は24日、笠利総合支所会議室で第51回総会を開いた。承認された2025年度収支予算では1462万円を計上して生産向上対策費を新設、薬剤や除草剤、土づくり対策の助成額を増額している。
同協議会は市や県の行政機関、JAあまみ大島事業本部、富国製糖㈱奄美事業所などで構成。事務局はこれまでJA笠利支所内に置かれたが、市笠利総合支所農林水産課内に変更(会則改正)された。
安田会長はあいさつで24年産のサトウキビが生産量、生産者平均価格(1㌧あたり)いずれも前年産を下回ったことを報告し「今年産も春先の低温による生育不足やメイチュウ(害虫)による被害もみられる。協議会としては生産量の回復、生産者の経営安定に向けて各種補助率見直しやサトウキビ共済などの加入率向上へ薬剤や除草剤、土づくり対策助成増額、新植面積の拡大や肥培管理の徹底を促すための委託作業料金の助成など行っている」と述べた。助成額をみると薬剤の場合、前年度の198万3千円から25年度は310万円を計上している。
総会では24年度事業・活動実績及び収支決算、25年度事業・活動計画及び賦課金徴収方法・収支予算などの議案を承認。25年度事業計画の重点推進事項では▽夏植え・春植え・株出し栽培体系のバランス推進▽病害虫一斉防除実施▽スマート農業の推進(IoT(モノのインターネット)機器搭載機の推進、ドローン防除の推進)―などに取り組む。このうち生産農家の作業委託となるドローン防除は1社が対応していたが、操縦士の不在により現在はゼロとなっていることが報告された。
閉会あいさつをした富国製糖の中山正芳所長は今年の梅雨時期の雨量について触れた。奄美空港での雨量観測により平年比52%にとどまり、笠利地区は「カラ梅雨となった」とした。また昨年産の収穫面積は531㌶となり、前年比19㌶の減で生産量に換算すると1千㌧の減収となることから単収増加などを課題として挙げた。