大学生がユリ球根の掘り取り体験

ユリ球根の掘り取り作業を体験した左から井ノ上さん、加納さん、西澤さん(4日、和泊町)

 

 

 

「クラダシチャレンジ」で来島
農業から地域課題考える

 

 

 【沖永良部】和泊町と連携協定を結ぶ(株)クラダシ(本社、東京)による社会貢献型インターンシップ「クラダシチャレンジ」で来島した大学生3人が4日、和泊町のほ場でユリ球根の掘り取り作業を体験した。3人は、地元農家と触れ合いながら地域の現状と課題について考えた。 

 クラダシは、フードロス削減を目指すショッピングサイト「Kuradashi」を運営。農業体験を通じて地域課題について考える社会貢献型インターンシップ「クラダシチャレンジ」を実施している。

 5月20日に和泊町と日本エアコミューター(JAC)、クラダシの3者間で「SDGsの推進にかかる食品ロス削減等に向けた連携協定」を締結した。

 来島したのは、法政大学現代福祉学部2年の井ノ上敦也さん(22)、同学部3年の西澤梨乃さん(20)、同学部2年の加納羽花さん(20)の3人。3~7日までの日程で、農業体験や地元住民との意見交換などを行う。

 4日は、和泊町のユリ農家、沖裕任さん(76)のほ場で午前8時から休憩時間を挟み午後5時まで作業した。

 炎天下、3人はベトナム人技能実習生に交じり作業を体験。地面の上に膝を付き、球根についた赤土を丁寧に取り除いていた。

 海外を旅した経験から「食」について真剣に考えるようになった井ノ上さんは「一次産業の担い手が減少する中で、その解決策や地方のまちづくりをどうやっていくのかを考えていきたい」。クラダシで取り組む循環型ビジネスに興味を持ち、今回のインターンに応募した西澤さんは「体験してみて機械化が難しいことが分かった。これからの就職活動に向けて、今回の経験を生かしていきたい」。今後は海外への留学も検討しているという加納さんは「沖永良部島は、今まで生活していた環境と全く違う。人との関わり方や文化など視野が広がった」と話した。