徳之島町「むんがたり講座」が開講

スタートした徳之島町「島のむんがたり講座」の第1回講座=同町生涯学習センター

島の昭和の記憶、写真でたどる
4回シリーズ

 【徳之島】徳之島町が新たにスタートさせた歴史学習企画「島のむんがたり講座」(町誌編纂(へんさん)室主催)の第1回講座がこのほど、町生涯学習センターであった。「町史」編纂の過程で収集した写真資料を基に、地域の歴史や文化の変遷をひもとく取り組みで、会場には70歳代から小学生まで幅広い世代の約40人が参加した。

 「むんがたり」は「もの語り」の意。第1回は、竹原祐樹・町誌編纂室長(学芸員)が講師を務め、「昭和100年、シマの古写真で振り返る」と題し、町が収集した約500枚の写真の中から厳選した約70点をスライドで紹介。掲載に至らなかった未公開写真も含まれ、島の生活や風景、行事の移り変わりなどについて丁寧に語った。

 昭和4年に建てられ、島内最古とされる旧山尋常高等小(現・山小)の鉄筋コンクリート校舎(国の登録有形文化財)の建設間もないと見られる貴重な写真や、戦中の世相が反映された運動会後の祝宴風景、昭和30年代の闘牛大会のにぎわい、集団就職を送り出す港の様子、大相撲の第46代横綱朝潮太郎(井之川出身)の凱旋(がいせん)パレードなど郷土の歴史や暮らしを物語る映像が次々と映し出された。

 中でも、昭和33年の町村合併時の徳之島町役場職員の記念写真を目にした坪川由己美さん(92)=亀津=は「自分すらこの写真は持っていないし、撮られたことも忘れていた。当時は経済課に勤務し、臨時職員から正職員になったばかりだった」と感動し、当時を懐かしんだ。

 竹原室長は「亀津以外の地域の写真はまだ少ない。今後も収集を進め、各地区公民館での公開やデータ化も視野に入れている」と話した。

 今後の講座予定は次の通り。(会場はいずれも町生涯学習センター)▽7月27日 午後2時、「闘牛、『全島一』の系譜~強さの秘密は?」(遠藤智・町郷土資料館長)▽8月30日 午後2時、「知られざる徳之島町内の遺跡 vol.1」(大屋匡史・同館学芸員)▽11月30日午後1時半、「よ~りより、かむぃじ(亀津)あるき」(米田博久・編纂室)