瀬戸内町で「奄美シーカヤックマラソン」

スタートの合図で一斉に艇を進める選手たち(6日、瀬戸内町古仁屋港)

フルは千々岩、ハーフは茂野親子が制覇
2種目20部門に244艇、360人

 第33回2025奄美シーカヤックマラソンIN加計呂麻大会(瀬戸内町主催)は6日、瀬戸内町の大島海峡一帯であった。フルマラソン(36㌔)、ハーフ(20㌔)の2種目20部門に244艇、約360人が参加。フルはサーフスキー男子シングルの部に出場した千々岩(ちぢいわ)克成さん(36)=熊本県=が優勝。ハーフはシーカヤックタンデム男子の部の茂野拓真さん(68)=瀬戸内町=、茂野武史さん(35)=同=親子がトップに輝いた。

 大会の開催にあたり、会長の鎌田愛人町長は「瀬戸内町の自然、大島海峡の風、そして町民の心を感じ、それぞれのスタンス、思いを胸にレースを楽しんでほしい」とあいさつ。選手宣誓ではハーフのシングル、タンデムに出場する古仁屋高校2年の生徒たちが「自然への敬意、出会いへの感謝、そして未来への希望を胸に、正々堂々と力の限りこぎ続けることを誓う」と思いを述べた。

 この日は、30度を超える真夏日となり、水温も29度を記録。抜港や大会の中止を含めて、2017年大会以来となる同町嘉鉄を巡るコースが復活。昨年、フルのタンデムで2位に輝いた茂野さん親子は「自身の転勤で練習なしで本番を迎え、最後はこぐのがきつかったが、おいしい酒が飲めるよう父のために頑張った」(武史さん)と振り返った。

 オープンの部(2人艇・駅伝の部)に出場した後藤那穂子さん(46)=神奈川県=は「今回で2回目の出場。スリ浜がきれいと聞いていたので、ぜひ行ってみたい」と話し、大場亜紀さん(41)=神奈川県=は「初めての出場。思っていたよりも景色がすごくきれいで、大会も町全体でサポートしていただけることにありがたい」と笑顔で語った。

 コース上に設置したチェックポイントでは、加計呂麻島の渡連海岸で住民らが軽食を用意し、チヂン(太鼓)で選手たちを応援。発着点の古仁屋港では、陸上自衛隊奄美駐屯地による野外入浴施設も設置。大湊緑地公園では恒例の後夜祭があり、表彰式や抽選会、ライブが催され、熱気にあふれた今季の大会を締めくくった。