奄美市中小企業振興会議(29日、奄美市役所)
2025年度「奄美市中小企業振興会議」(会長・有村修一奄美大島商工会議所会頭、委員17人)は29日、奄美市役所であった。①物価高騰の影響を踏まえた現状②人手不足の現状と課題―について意見交換した。各業界から構成される委員からは、厳しい運営状況や人材確保など、現状及び今後を懸念する意見が多く上がった。
奄美市は、中小企業の振興の基本となる理念を定めるとともに、市の債務、中小企業などの努力、関係者の役割などを明らかにし、中小企業の育成発展及び市民生活の向上を図ることを目的に、17年4月に「市中小企業・小規模企業振興条例」を施行。条例に基づき、同会議を設置。委員は、商工、建設、情報、観光、酒造、福祉、飲食など業界団体及び市、県で組織され、中小企業の振興に有効な施策の策定及び実施に向けた検討を行っている。
冒頭、有村会長は「人手不足や物価高騰などの課題解決など、中小企業の持続的な発展と地域経済の活性化につながる、実り多い意見交換になることを期待する」とあいさつした。
事務局の、同市が取り組む物価高騰対策実施事業及び人材確保に向けた支援制度の説明後、各業界の物価高騰の影響を踏まえた現状及び人手不足の現状と課題について報告があり、意見交換が行われた。
奄美群島振興開発基金が取引先を対象に、今年に実施したアンケートでは、物価高の事業活動への影響については、78%が「影響している」、18%が「影響は少し出ているが、今後さらに出る可能性がある」。経営課題については、22%が「人手不足」と「資金繰り」、14%が「老朽化設備更新」などと回答している。
物価高騰については、多くの業界が負担が大きいとし、人件費の増加と合わせて価格転嫁をしても追いつかないなどと報告した。
人材不足については、若者のI・Uターン希望者がいても、賃金や住宅不足、家賃が高いなど、環境面がネックになるケースが多いなどの意見が上った。また、ICT化などによる業務効率改善事例の紹介などもあった。
介護、福祉業界からは、奄美看護福祉専門学校のこども・かいご福祉学科の募集停止による、将来の人材確保を不安視する声も上がった。
そのほか、「観光客数がコロナ禍前に戻っていないが、新規の宿泊施設が増加し、供給過多になっている」や「公営住宅や職員住宅の空き室を移住者向けに活用できないか」などの意見が上った。

