トネヤ(祭場)からミャー(土俵)へ練り歩く「振り出し」(10日、宇検村田検)

豊年祭で昨年から口上を務める峯宏治さん(左)と相撲行事を奉納する男衆たち

毎年の土俵への上がり口を十二支で示す「さすかん(殺生神)」と書かれた木製の方位盤。集落のトネヤに収められている
「相撲・相撲と申すは、天神七代(てんかみしちだい)、地神(じしん)五代」――。宇検村の田検集落(小田桐傑区長、72世帯131人)で10日、五穀豊穣と集落の繁栄を願う豊年祭が開かれた。男衆を先頭に土俵まで練り歩く「振り出し」や、大和相撲が源流にある土俵行事を粛々と披露。昨年5年ぶりに復活した相撲の起源を伝える口上も読み上げられ、集落一体で伝統行事の継承を果たした。
宇検村の豊年祭は8月から9月にかけて、各集落で実施。9日の久志、屋鈍集落を皮切りに9月14日まで、全14集落で執り行われる。
田検の豊年祭ではトネヤ(祭場)に収められる、毎年の土俵への上がり口を十二支で示す「さすかん(殺生神)」と書かれた方位盤で確認。この日、午後3時頃から振り出しを始めた。
「ヨイヤ、ヨイヤ、ワイド、ワイド」の威勢の良い掛け声が集落一帯に響く中、まわし姿の男衆を先頭に、行列がミャー(土俵)へと前進。子どもや花笠に料理を乗せた女性たちが後に続き、一行はゆっくりと足を進め集落の小道を練り歩いた。
賛者(さんしゃ)と呼ばれる行事実施者らが祭事を仕切る中、土俵では峯宏治さん(52)=村職員=が祭りの始まりを告げる口上「相撲の小術(こじゅつ)」を朗誦(ろうしょう)。青壮年団を中心に兄弟、ちびっこ相撲など余興も交えた奉納相撲が行われ、婦人会は土俵を囲み踊りを披露。多くの住民と帰省者たちが古里で代々受け継がれる伝統行事を見届けた。
田検では長らくトネヤの管理者、林福満さん(故人)や歴代区長らが口上を務め、コロナ禍などの中断を経て、昨年5年ぶりに再開。2年続けて大役を担った峯さんは「豊年祭は本土からも出身者らが手伝いに来る、集落全体の意志や団結が確認できる一大行事。開催できることが名誉そのもので、今後も集落の伝統を受け継いでいきたい」と決意を語った。
小田桐区長(52)は「豊年祭は青壮年会や婦人会、老人会などの年間活動費を築く大事な行事。集落の先輩方のお力添えもいただき、暑い中けがもなく無事開催できたのが何より」と話した。
その後、夜の行事「ヤーマワリ」(家回り)も行われ、集落4地域を訪問。出産や新築、転入などを果たした住民がいる9か所に出向き祝った。

