中野国交相が徳之島初視察

奄振事業関連の「徳之島世界遺産センター」を視察、説明を受ける中野洋昌国土交通相(右)=19日、徳之島町花徳
あらためて奄美群島振興開発の推進に関する要望書を提出、地元首長らと意見交換も= 19日、徳之島町役場
 
「現場の意見聞き全力で」 地元首長らと意見交換も

 【徳之島】中野洋昌国土交通相は19日、就任後初めて徳之島を視察した。奄美群島振興開発特別措置法(奄振法)関連事業の推進に関する群島市町村会・議会議長会の要望書を受けて地元首長らと意見交換も実施。改正奄振法(昨年4月)の新たなテーマ「移住の促進」「沖縄との連携」など推進を含め、「現場の声を聞きながら全力で取り組みたい」などと強調。悪天候をつき奄振事業関連施設を中心に計6か所を視察した。

 中野国交相の徳之島訪問は、2012年の衆院選立候補(兵庫県第8区)前と同初当選直後に続き3回目、国交相就任後は初。今月6・7日に実施の奄美大島視察と併せて計画していたが公務の都合で繰り下げての実施に。同省専門官や国土政策局長、県から藤本徳昭副知事や松藤啓介大島支庁らが同行し18日夕に同島入りしていた。

 19日午前、徳之島町役場で開いた意見交換会には、徳之島・天城・伊仙・瀬戸内・和泊・知名・与論の計7町の首長らが出席。中野国交相はあいさつで「改正奄振法の基本方針には、移住の促進、沖縄との連携といった新たなテーマが盛り込まれ、どのように進めていくかが重要」。その上で「奄美群島の更なる振興開発に向けて、現場の意見を聞きながら全力で取り組みたい」と述べた。

 群島市町村長会・議会議長会を代表して高岡秀規徳之島町長が、7月に続き「奄美群島振興開発の推進に関する要望書」を提出。①群島の自立的発展に向けた振興開発の推進(群島成長戦略ビジョン2033の実現に資する群島振興開発交付金予算の確保、群島航路航空路運賃の軽減等にかかわる予算の確保・制度の充実など)や②群島の条件不利性解消等に向けた取り組み③群島国立公園及び世界自然遺産にかかわる取り組み④群島振興開発基金―など分野も基に約1時間、意見交換(非公開)した。

 この後、あいにくの悪天候をついて、徳之島世界遺産センター・道の駅とくのしま(徳之島町)や、地域文化情報発信施設「なくさみ館」(伊仙町)、「あまぎ自然と伝統文化体験館」(天城町・建設中)など計6か所を視察した。

島ごとの自然・文化の特色を次世代へ

 視察後の会見で中野国交相は、地元首長らとの意見交換は「奄美振興交付金事業に対する予算の確保や制度の拡充が最も強い要望として挙がった。移住促進や沖縄との連携が新たなテーマであり、特に世界自然遺産登録をきっかけに両県が連携を深めていくことが重要と感じた」。

 意見交換でも首長が提起したという航空運賃問題に関する、「住民や準住民割引などに加えて観光客や出身者向けの割引制度も拡充すべきとの意見もある」など記者質問に、中野氏は「予算の制約がある中で令和8年度の予算編成に向けて、どのように拡充や対応ができるか検討していく」との方針も示した。

 徳之島の印象については「奄美群島は島ごとに自然や文化が異なることを改めて実感。徳之島は農業が盛んであり、闘牛などの伝統文化も特徴的。これらの特色を次世代に継承しながら振興していくことの重要性を感じた」とも強調した。