徳之島に「ドラモリ」3店舗

写真上からドラッグストア「徳之島亀津店」、来年初頭の開店が予想される同「伊仙町店」と「天城町店」の建設現場(今月3、4日)

離島商圏〝波高し〟
消費者歓迎、商工会に危機感

【徳之島】ドラッグストアモリ(本部・福岡県朝倉市、森竜馬社長)は、徳之島で3店舗目となる伊仙町店と天城町店の新設工事を進めている。開業時期は、同時期の来年1月下旬から2月頃と予想され、小さな離島商圏での「1町1店舗」展開が現実味を帯びてきた。住民からは利便性向上への期待が高まる一方で、地域に根差してきた個人商店の経営への影響を懸念する声も上がっている。

「ドラモリ」の愛称で親しまれる同チェーンは、医薬品や化粧品、日用品、食品まで幅広く取り扱う総合型ドラッグストア。九州を拠点に沖縄や中国、四国、東北地方へと店舗網を拡大し、鹿児島県内だけでも既に41店を展開する。徳之島では2016年に徳之島町亀津に1号店「ドラッグストア徳之島亀津店」をオープンしており、来年1月末~2月頃までには島内3町全てに出店することになる。

新設されるのは、▽「(仮称)ドラッグストアモリ伊仙町店」(同町伊仙1847―1、売り場面積1431平方㍍、駐車場60台)▽「(同)ドラッグストアモリ天城町店」(同町天城328―1、1703平方㍍、71台)の2店。売り場面積は3町店ともほぼ同規模。いずれも近隣にはAコープ店やコンビニなども立地し、競争の激化が予想される。

大規模小売店舗立地法などに基づく県届け出では当初、今年8月下旬の開店を予定していたが、工期の関係で延期され、開業は来年初めになる見通し。

徳之島3町の人口は計2万86人(徳之島町9412人・伊仙町5613人・天城町5061人)=8月1日現在。人口・消費需要ともに減少傾向にある中での相次ぐ大型店の進出は、既存の個人商店顧客を失うなど、島の消費環境を大きく変える可能性がある。

住民(伊仙町50代女性)からは「伊仙の人は購買意欲が高いので、お客さんはたくさん行くと思う。ただ身近に大型店ができる分、小さな個人商店などが影響を受けないか少し心配」。買い物の選択肢が増えて便利になるなど歓迎する声の傍らでは、細々と地域の消費生活に密着してきた個人商店への影響を不安視する声も根強い。

天城町商工会の神田浩生会長は「地元商店への影響は避けがたく、高齢者など買い物弱者の増加につながる恐れもある。(大手チェーン店は)地元イベントなどへの協力もなく、数億円が本土に流れるだけ。だが反対はできない。発想を転換し、地域ならではの商品やサービスで対抗していきたい」。

伊仙町商工会の佐倉功一会長も「類似品目を扱ってきた個人商店からは『廃業を検討中』とのうわさも。商工スタンプ会セールで(消費者の)抱え込みに自助努力しているが限界もある」と話す。

ほか、奄美大島でも同「龍郷店」(龍郷町中勝)に続き、「奄美市笠利町店」(同町大字里字中田)の新設計画が進められている。

地域経済の活性化と伝統的な商店の存続――。人口減少が進む離島で、住民生活と商業の在り方を問う試金石となりそうだ。