「船員の仕事」重要性再認識

日本の未来に不可欠な海運と船員(職業)の重要性を「出前授業」で強調した九州運輸局海事振興部の小澤氏=5日、天城中で

 

 

天城町の中学生らに九州運輸局が出前授業

 

 

 【徳之島】天城町の天城中(折田宗仁校長、生徒数66人)など町内3中学校で5日、キャリア教育の一環として「職業人に学ぶ」出前授業があった。講師は国土交通省九州運輸局海事振興部の小澤健一次長(53)。「暮らしを支える海運と船員の仕事」をテーマに、日本の未来に不可欠な海運の役割や船員という職業の魅力について語った。

 同出前授業は、同町教委職員の父親が同運輸局幹部を務める縁で昨年、同運輸局サイドの事業として天城小・中を対象に初実施。好評だったことから今年は天城中のほか北中(76人)、西阿木名中(9人)の計3校に拡大。それぞれで1時限ずつ行われた。

 小澤氏は、日本の輸出入のほとんどを船が担っている現状を数字で紹介。世界の貨物輸送の約99・6%、国内基幹産業物資の8割を船が運ぶ実態を説明した。さらに、一隻でトラック160台分を運ぶ効率性や、2050年度目標のゼロカーボン実現にも向けてCO2量が少ない環境面での利点も強調。先の能登半島地震も例に災害時には孤立地域への物資輸送を担う「命をつなぐ役割」にも触れた。

 後半は船員の働き方を紹介。航海士や機関士、客船スタッフなど多様な職種を挙げ、3か月乗船後に1か月休暇を取れる高給の長期勤務や、日帰り勤務も可能な柔軟さを説明。船員の個室やWi―Fi環境など労働環境の改善も伝えた。

 小澤氏は「少子化の中で海運の未来を担う若者が不可欠。自動運航技術の進展とともに新しい力が必要」と訴え、「進路に迷ったとき、船員という選択肢を思い出してほしい」と呼び掛けた。

 天城中の生徒代表・中西恵大さん(3年)は「船乗りは休暇も給料も多く取れるので、将来の選択肢の一つにしたい」と感想を述べた。同中2年生は今月16~18日の修学旅行で三菱重工業長崎造船所(長崎市)も訪れる予定だ。