「関係人口」増へアイデア紹介も

若い視点で調査結果のアイデアなどを提案した慶応大・橋口研究室の学生ら=17日、徳之島町役場

慶応大・橋口研究会
少子化・若者流出の課題に

【徳之島】慶応義塾大学経済学部・橋口勝利研究会「奄美徳之島班」の学生らが16日から徳之島入りし、天城町と徳之島町の役場を表敬訪問した。首都圏の大学生の視点から少子高齢化や若者流出が進む島の課題に対し、「関係人口」の拡大を軸とした持続可能な地域づくりの提案を行った。

同研究会が徳之島に着目したのは2021年の世界自然遺産登録が契機だった。医療や福祉、観光、経済など幅広いテーマを調査し、今年度は鹿児島県と県離島振興協議会の助成事業「アイランドキャンパス」にも採択。調査エリアを奄美大島などにも拡大し、研究報告書『慶大生が見た奄美徳之島―子宝の島の未来像―』(24年度例)などとしてまとめ、地元にも還元している。

4年連続となった今年の調査団は橋口教授(50)と3・4年生10人。16日は天城町役場を訪問して森田弘光町長ら町幹部や議会など関係者に発表。地元の樟南第二高校も訪問して生徒らと交流した。慶応大の先輩で元川崎商工会議所会頭の事業家山田長満氏(東京都在住、同町出身)ら東京サイドで調査協力している東京奄美会のメンバーとも交流。翌17日は徳之島町役場も表敬訪問して研究発表した。

発表で3年生グループは人口減少の要因を分析し、「出生率の高さにもかかわらず若者流出が続く」現状を指摘。その解決策として、農業や観光業での短期職業体験や、伝統行事を組み込んだワーケーションなども提案。島の人々との関わりを通じ、「愛着を持つ人こそが戻ってくる」との気付きも共有した。

一方、4年生たちは2年間の研究成果を卒論と絡めて発表。気候変動と不動産価値、伝統産業の新需要、医療費抑制、教育の在り方など多角的なテーマを提示。中には「徳之島での学びが人生の軸をつくった」と徳之島での調査・交流を通じ、「医療分野」など自らの進路を決定付けられたと語る学生もいた。

発表を聞いた町役場の関係者からは「私たちが感じている課題と重なる」「若者が刺激を受けているのがうれしい」と共感の声が寄せられた。

最終日の18日は徳之島高校生とも「徳高生の将来と、島の課題や未来を考える」を授業テーマに意見交換する予定だ。