身近な問題に民間も協力

イオン九州㈱イオンプラザ大島店の3階踊り場に設けられた認知症への正しい知識と理解を図る啓発展示スペース

「認知症の日」奄美市プロジェクト
買い物客でにぎわうイオンにも展示スペース

 9月は「認知症月間」で、21日は「認知症の日」(世界アルツハイマ―デー)。認知症フレンドリープロジェクトに取り組んでいる奄美市は啓発展示を市役所(名瀬・住用・笠利)や県立奄美図書館の公共施設だけでなく今年度から民間の協力を得て啓発場所を増やしている。多くの買い物客でにぎわうイオン九州㈱イオンプラザ大島店(谷川祐一店長)では3階踊り場で行っており、企画展のマスコットキャラクター「しまロバ隊」が目を引き、知識と理解が広がるスペースとなっている。

 イオンプラザでの展示は8日に設営され、期間は今月いっぱい。愛らしいマスコットキャラクターが至る所に飾られており、写真やイラストで分かりやすく関係資料を展示。「相談できるところ・頼りになるところ」では地域包括支援センター、支援者の会(まーじんま)、ボランティア団体(結とも)を案内する。

 正しく認知症について理解するため症状についての説明と同時に、早期受診のメリットを示すことで「前向きな生活」につながることを強調。「頼りになるもの」では認知症ケアパス(状態に合わせたサービス提供の流れ)、ヘルプカード(手伝ってもらいたいことを書いて必要な時に提示)、「集えるところ」では認知症カフェを紹介している。専門機関として認知症疾患医療センターの役割(ワンストップで支援)、地域へ向けた取り組みとして奄美病院・認知症やすらぎカフェの存在も伝えている。

 集合体としてアピールしているのが、認知症サポーター養成講座を受講した「大島高校1年生が考えた 『認知症にやさしいまち』ってどんなまち?」。「しまロバ隊」に生徒が記入したメッセージカードを貼り出している。記入内容は「困っている人に対して優しい声掛けがあるまち」「互いに助け合って見守って暮らせるまち」「理解し偏見などがないまち」のほか、「認知症だからといって手伝いすぎたりせず見守ってくれるまち」も。

 啓発展示に協力し受け入れた谷川店長は「個人的にも奄美から遠く離れた県外で母親が1人で暮らしており、居住地の地域包括支援センターに相談するなど身近に感じている。買い物に1人で来店される高齢者の中にも気になる方がいらっしゃるだけに、認知症への正しい理解が進み、お互いに助け合うことで住みやすくなるのではないか」と語った。

 21日は日曜日。この日も同店は多くの買い物客が来店していたが、同店によると、展示への関心を示すように置いていたパンフレット(持ち帰り可能)の数が少なくなっているという。大高生のメッセージで特に印象的な内容として「困っている人に優しい声掛け」を挙げた谷川店長は「こうした企画展示などへの協力で今後も地域との関係を深めたい」と語った。

 なお、「認知症の日」には奄美地区地域支え合い協議体・奄美市認知症の人と家族と支援者の会まーじんま・奄美市名瀬地域包括支援センターの共催で、市内にある新川ふれあい館で地区住民などを対象とした認知症サポーター養成講座が開催された。