与論十五夜踊りを奉納

「三者囃子」を奉納する一番組(6日、与論町地主神社)

五穀豊穣、嶋中安穏を祈願

 【沖永良部】国の重要無形民俗文化財「与論十五夜踊り」が、旧暦8月15日にあたる6日、同町地主(とこぬし)神社で奉納された。地元住民らが見守る中、全10演目を披露し五穀豊穣(ほうじょう)や嶋中安穏を祈願した。

 与論十五夜踊りは、 1561年に創始されたといわれる。踊り手は、手踊りや扇踊りを見せる「二番組」と寸劇仕立ての「一番組」とに分かれ、二つの組が交互に踊りを奉納する。1993年に国の重要無形民俗文化財に指定された。

 二番組と一番組が合同で奉納する雨乞いの踊り「雨賜り(あみたぼうり)」を皮切りに、「一度いふて」「三者囃子(はやし)」「二十四孝」などの演目を奉納したほか、獅子舞や綱引きで盛り上がった。

 この日は、塩田康一知事や和泊町の前登志朗町長らも訪れ、祭りを楽しんだ。

 与論町の田畑克夫町長は「460年以上続く伝統を引き継いでくれている踊り手たちに感謝している」と話した。

 埼玉県から移住した江藤善真さん(46)は、今回初めて「一番組」の踊り手として「雨賜り」と「二十四孝」の2演目に出演。「一番組に入ろうと思ったのも、移住者の先輩がいてくれたおかげ。これから踊りを研究してしっかりと伝統を引き継いでいきたい」と語った。