晴れがましく表彰式に臨む峰岡歩嬉さん(提供写真)
「曲がりょ高頂節」を熱唱する峰岡歩嬉さん(提供写真)
「うらとみ節」を熱唱する楠田莉子さん(提供写真)
【東京】民謡日本一を競う「2025年度民謡民舞全国大会」(公益財団法人日本民謡協会主催)が2~4日に品川区の「きゅりあん(区立総合区民会館)大ホール」で開催された。成青年部旗戦で、天城町の峰岡歩嬉(ほこら)さん(奄美芸能徳之島)が見事、日本一に輝いた。ほか、福山幸司さんが壮年部で3位に入るなど奄美勢は大健闘した。
「応援してくれたみんなの思いを込めて、楽しんで唄えました」と峰岡さん(18)は、渾身(こんしん)の舞台を振り返った。2022年、当時天城町立北中3年で、中学生日本一となって以来の快挙だ。「曲がりょ高頂節」は大会では一般的ではない曲だが、「聴いてもらえることが幸せ」の思いで、臨んだ。「2年前の九州地区大会でも唄い、手応えをつかんだ」こその冒頭のコメントだった。
大学受験を控えての大会に、地域の祭りなどイベント出演を一切控えた。「腹をくくりました。やり切ったと思いましたね」。熱唱し終わった瞬間、睡眠時間を削ってまで、この大会へ備えた日々の風景が脳裏によぎった。全国精鋭34人の代表者を制し、見事日本一に。勝利の女神は、彼女の努力を見逃すわけはなかった。
栄冠を手にした峰岡さんは「地元に貢献する医師になりたい。何科は決めていないが、医療が一番不足しているところで『唄える医師』を目指しています」と言葉を弾ませた。目標へ向け、医学部を受験する。シマ唄同様、幼い頃から描いた大いなる夢は、かなうだろう。母・あかねさんが命名した「ほこらしゃ」の思いを胸に秘めて…。
配信で見守った師匠の一人、指宿桃子さんは「本番では、練習の成果をそのまま舞台に乗せてくれた。3年前と比べ、声の響きや表現力が格段に深まっている」と愛弟子の成長をたたえた。
入賞者は次の通り。(敬称略)
上原京子(瀬戸内)「中年部」優秀賞、福山幸司(北大島)「壮年部」3位、松崎博文(北大島)「浦本杯」7位、峰岡歩嬉(奄美芸能徳之島)「成青年部」優勝、楠田莉子(奄美)「内閣総理大臣杯」優秀賞

