返礼と感謝を込め、亀津中吹奏楽部の後輩たちが開いたミニ演奏会=8日、同中音楽室
【徳之島】徳之島町立亀津中学校の1969(昭和44)年卒業生たちが7、8の両日、古希を祝う全国同窓会を地元で開いた。母校訪問では、吹奏楽部員らが寄付などで支援を受けた先輩たちに返礼のミニ演奏を披露し、世代を超えた交流の場となった。
参加したのは、卒業生約250人のうち島内外からの72人。53(昭和28)年の奄美群島日本復帰の年に生まれた世代を中心に、「亀津中ニッパチ組」と呼ばれる同窓生たちで、固い絆が自慢だという。町内の居酒屋での前夜祭に続き、8日は修学旅行気分で徳之島一周バスツアーを楽しんだ後、代表約20人が参加者全員からの「金一封」を携えて母校を訪れた。
音楽室で出迎えた吹奏楽部員28人は、北島三郎の「まつり」や夏川りみの「なだそうそう」、校歌などを演奏。先輩たちを大いに感動させた。寄付を通じて楽器の更新を支えてきた同町亀徳出身の里秀明さん(71)=大阪府摂津市=も出席。ふるさと納税と並行して、個人で2回計550万円を亀津中に寄付したほか、母校亀徳小に同350万円、妻の母校・尾母小中にも100万円と、計1千万円を母校や故郷の学校に直接贈っていた。
亀津中吹奏楽部は新しい楽器を活用して練習を重ね、県コンクールで連続金賞を受賞。さらには九州地区から唯一「日本管楽合奏コンテスト」(東京)に出場し、見事優秀賞を獲得している。里さんは「金賞を一番喜んだのは自分自身。厳しい練習を楽しんで続けてほしい」と激励。3年生で卒部直前の帖佐幸姫部長は「先輩の優しい思いやりと伝統を後輩たちに引き継ぎたい」と感謝を述べた。
同窓会はこの後、亀津のホテルで開かれた懇親会でも大いに盛り上がり、半世紀以上の時を超えた友情と古里への熱い思いを確かめ合った。

