追悼の言葉をささげる、山下茂樹笠利町遺族会会長
平和の誓い新たに
戦没者を追悼する「2025年度第120回笠利町招魂祭」が16日、奄美市笠利町の太陽が丘運動公園招魂碑前広場であった。遺族や行政関係者など約70人が参列。戦争で犠牲になった同町の戦没者と、596柱(軍人軍属587柱・女子挺身(ていしん)隊9柱)の霊を慰めるとともに、不戦と恒久平和への誓いを新たにした。
拝礼や黙とうの後、安田壮平市長は「最愛の家族や肉親を失い、癒されることのない悲しみに耐えながら、幾多の困難を乗り越えてきた遺族に敬意を表す」とし、「私たちが享受している平和と繁栄、そしてこの美しい奄美大島の姿を受け継いでいくことができるのは、多くの戦没者の尊い命と島民のたゆまぬ努力の上に築かれていることを決して忘れてはならない」と式辞を述べた。
詩吟教室の代表、朝山三千丸さんによる献吟の後、同町遺族会の山下茂樹会長(77)は「遺族会は高齢化などにより会員数が減少傾向にあるが、一体となり、励まし合い、悲劇を繰り返さないよう訴え続ける」と追悼の言葉をささげた。

