奄美ファン女性が下町で月2回限定カフェ切り盛り

自慢のコーヒーセットで来客をもてなす柳田さん

奄美への思いを込めて笑顔で話す柳田さん

コロナ禍の応援ナース
優しく接する人に魅せられる

【東京】奄美大島の大自然と人の温かさに魅せられた女性が、下町にある長屋風の建物でカフェを切り盛りしている。月に2回ほどのオープン。出会える日にちが限られているだけに、味わい深い貴重なひとときが提供される。「奄美の黒糖と、おいしいコーヒーはいかが」と話している。

京成曳舟駅から歩くこと約5分の明治通り沿いにある「ゆむた珈琲」を開いているのは、柳田里絵(りえ)さん(31)だ。江戸川区で看護師として働く傍ら、月に2日ほど、来客をもてなしている。山梨県山梨市出身の柳田さんだが、都内の病院で同僚だった國吉麻里菜さんと共通の先輩を通じて奄美へ「応援ナース」として27歳の時に赴任。名瀬徳洲会病院で奮闘した。

「コロナ禍なのに、皆さんとても優しく接してくれた。3か月で帰る予定が、奄美の人に魅せられて結局1年間勤めましたよ」と振り返る。加計呂麻島などの大自然にも魅了されたという。  

その後、2024年に現在の住まい、墨田区へ。区内に残っている戦火を逃れた長屋(築98年)に「島と同じものを感じる」と奄美を思うように。不定期のカフェを切り盛りするに至った。

自慢は、山梨の親戚が作る和紙で丁寧にいれるコーヒーだ。それには、奄美のねりさ(黒糖菓子などのおやつ)が添えられ、なんと500円。「もっともらえばいいのになんて言われますが、これでいいんですよ」と笑顔で応じる。

言葉、おしゃべりという意味の店名にして「もしかして出身者が来るかも」と期待を込めた。看板を見て加計呂麻島を旅した人が訪れ、大いに盛り上がったという。

奄美への思いが漂うカフェは、墨田区京島3丁目17の7。彼女の本業が休みの日に借りて、おおむね月2日の営業となっている。「うちらの居間分館」と検索するとスケジュールが分かる。