12市町村共通の課題となる「移住促進」に向け、先進地の事例を学んだ(22日、龍郷町役場)
奄美群島への移住促進策などを官民で協議する「2025年度奄美群島移住・二拠点居住促進協議会」(会長・山越眞澄㈱ねりやかなや代表取締役)が22日、龍郷町役場であった。12市町村の移住・定住の担当者、不動産関連の民間団体、NPO法人など約40人(オンライン含む)が参加。直近5年間で1200人以上が移住し、「住みたい田舎」として注目を集めている長崎県五島市の取り組みを学び、事業推進へのヒントとした。
同協議会は、奄美群島広域事務組合が事務局となり、「奄美群島UIO支援協議会」の名称で11年に設立。24年2月に現在の名称となった。
会合には、五島市役所・移住定住促進班の谷一也主査が登壇。福江島など10の有人島で構成される同市の移住施策を説明した。
同市は、1955年に9万人だった人口が2025年は約3万2千人に減少。07年から移住事業に取り組み、17年の「有人国境離島法」施行を受け、雇用機会拡充支援事業などが奏功し、19~20年には転入が転出を上回る「社会増」を実現した。
子育て世帯の移住者への支援に資源を集中した結果、20~24年の移住者約1200人のうち、30歳代以下が約67%を占めるという。
25年2月の有効求人倍率は1・31倍で、就業の心配はない状態。住居の課題についても、空き家マッチングによる成約率は約80%を誇り、定住率も「極めて高い」と報告した。
同市が、現在取り組んでいる関係人口創出に関する「デジタルノマド」(IT技術を活用し旅を続け仕事をする人)誘致事業など、新たな取り組みも紹介した。
谷さんはこうした成功に対し、「ドラマのロケ地として知名度があがり注目された時期があった。これを好機と発信に力を入れた。移住者による空き家の活用例が増えるに従い、口コミで安心感が伝わり空き家の登録数が一気に増えた」と内情を明かした。
龍郷町企画観光課の竹内ひとみさん(26)は「子育て世代の呼び込みに成功した先進事例。非常に興味深い。五島市は、環境面で奄美群島と類似する部分も多い。有人国境離島法を活用した支援の効果が大きいと感じた。予算確保など、他市町村と連携しながら検討したい」と話した。
協議会ではこの日午前、龍郷町嘉渡と安木屋場集落にある空き家3軒を視察。同町が取り組んでいる空き家対策の取り組みについて情報共有を図った。会合ではワークショップもあり、空き家対策の事例研究も行われた。

