11月11日の「いい介護の日」に合わせて奄美医療生活協同組合では「介護ウェーブ」を展開。その一環として奄美中央病院通所リハビリで行われた介護職場体験
11月11日は「いい介護の日」――。奄美医療生活協同組合(福﨑雅彦理事長)は、加盟している全日本民医連の方針に基づき、毎年「介護ウェーブ」に取り組んでいる。介護職員の処遇改善や介護保険制度の在り方を地域全体で考える機会とするためで、理解促進へ地域住民や中高校生などを対象に介護職場体験を実施しているほか、自治体に対し介護困難事例などの情報提供をしている。
「介護ウェーブ」が展開されているのは、医療・福祉施設がある奄美市、瀬戸内町、徳之島3町。同医療生協の與(あたえ)美和・看介護部長によると、介護保険制度に関し政府の方で利用料2割の対象拡大など負担引き上げ、サービス削減、ケアプランの有料化など見直しの検討が進められているとして、2025年度は「STOP!介護崩壊」をスローガンに掲げている。
全国的に介護事業所の倒産や休廃業が相次ぎ、特に訪問介護分野が深刻で、奄美地域では事業所の倒産は表面化していないものの、「人手不足によるサービス制限が相次ぎ、介護報酬の引き下げや燃料費高騰などが経営を圧迫している」(與部長)。介護職員の確保が難しい離島では、介護サービスの継続そのものが危機に瀕している状況という。
こうした中、医療生協では介護現場の実態を地域に可視化し、利用者・家族・職員の声を基に制度改善を訴える取り組みを続けている。24年度は奄美医療生協として2923筆の請願署名を集約し、全国のさまざまな団体とともに今年5月、計34万1301筆の署名を国会に提出した。「介護の困難事例」調査もしており、今年度は26事例を集約し、老々介護や認知症、経済的困難などの課題が明らかになった。與部長によると、奄美市名瀬の事例では高齢に加え障がいも抱えているため、入居する公営住宅の居住場所が1階でないと不便、さらに住宅の老朽化にも直面しているという。こうした困難事例の自治体への情報提供は今月12日に徳之島3町、13日に瀬戸内町、奄美市は12月に関係各課との懇談で予定している。
さらに今年度企画しているのが介護職場体験。実施期間は先月14日~今月21日で、老健施設がある瀬戸内町では町内の中学2~3年生約20人が職場体験に参加した。奄美市名瀬にある奄美中央病院では1階にある通所リハビリで介護職場体験を受け入れている。対象者は介護の仕事に関心のある人(知ってみたいという学生・社会人、介護関係の資格を有しながら介護の仕事に就いていない)。受け入れ時間は午後2時~3時の1時間程度(一日3人)。無料で体験できる。「いい介護の日」を前にした10日は、他の介護事業所から職員の参加があり、同病院で進めているノーリフト体験(福祉用具を活用することで抱えない・持ち上げない介助)などが実践を通して行われた。
與部長は「中学校などにも介護職場体験への参加を呼び掛けている。介護ウェーブを通して、介護職員の処遇改善や制度の在り方を地域全体で考える機会としたい」としている。

