受け入れ式でハルキの手綱を渡され笑顔を見せるグローリーファーム牧場の栄代表(右)
約7年間、婿入りを待ちながら過ごしてきた喜界馬のメス・グラッシー
喜界町伊実久のグローリーファーム牧場(栄常光代表取締役)に、花婿候補の喜界馬(トカラ馬)で1歳オスの「ハルキ」がやってきた。11日は、同牧場で受け入れ式があり、事業を主催する喜界町の隈崎悦男町長が牧場にハルキを引き渡した。まずは、8歳メスのグラッシーと柵越しの〝お付き合い〟を重ねながら、互いの仲を育んでいく。
トカラ馬は喜界島にルーツを持つ馬で、1897年頃に喜界馬が宝島に移入し、戦後にトカラ馬と呼ばれるようになった。喜界島では1990年に姿を消し、地域おこしつなげようと2017年に喜界馬復活プロジェクトチームを発足。19年1月には十島村で育ったグラッシー(当時2歳)を迎え入れていた。
ハルキは、指宿市で鹿児島大学の研究チームが運営する開門山麓自然公園の生まれで、生後すぐに母馬と離れ、鹿児島市にある平川動物公園で育てられてきた。町はこれまで約7年間にわたって花婿候補探しに奔走してきたが、24年6月にトカラ馬保存会に加入したことで事態は好転。第一子または第二子のうち1頭を返還することを条件に、無償で譲渡されることになった。
隈崎町長はあいさつで、「関係機関と調整を進めようやく2頭目を迎えることができた。ハルキは繁殖という次のステップに向けた大切な存在。町としても地域の貴重な財産として支えていきたい」と婿入りを歓迎。飼育を委託する栄代表に手綱を引き渡した。
現在、2頭は柵を隔てた形で飼育されている。好奇心旺盛なハルキは、グラッシーに寄り添おうと興味を示すものの、グラッシーは緊張からかハルキを警戒し、2頭が近づく様子はなかなか見られないという。
栄代表は「敏感な時期ではあるがグラッシーも意識はしている。いずれは同じ柵の中で飼育できるよう、気長に見守っていきたい」と述べ、「長年、ルーツの地での喜界馬の誕生を夢見てきた。(午(うま)年である)来年の秋頃には(妊娠の)吉報が届けられるよう、力ある限り取り組みたい」と話した。
ハルキは現在、体高約110㌢、体重約170㌔(推定)。2歳頃から繁殖が可能になるという。

