(上から反時計回りに)手久津久海岸で見つかった石器、坂嶺海岸の石器、荒木中里遊歩道の石器(喜界町埋蔵文化財センター提供写真)
隆起速度や縄文時代につながり
喜界町が指定
喜界島にある完新世(1万年前~現在)の隆起サンゴ礁に囲まれた海岸地帯で発見された複数の石器について、喜界町は14日付で、町の天然記念物(有形文化財)に指定した。石器は全て周辺のサンゴと一体化するように取り込まれており、島の隆起速度や縄文時代の海岸活動とのつながりを示す重要な資料として評価された。
指定名称は「完新世の隆起サンゴ礁にとりこまれた石器」。対象は、手久津久、中里、先内、坂嶺、伊砂の5集落の海岸で見つかった縄文時代からあったと推定される石器12点で、いずれも喜界島にはない石材で、島外から持ち込まれたと見られる。町埋蔵文化財センターによると、何らかの形で海中にあった石器が、サンゴの成長とともに一体化。サンゴ礁が隆起したことで地上にせり出したと見られる。
石器は当初、13点あったものの2024年3月に坂嶺海岸にあった1点が割られ、なくなっていることが分かった。以降は、同センター文化財保護チームが保全へ向けた検討を開始。町文化財保護審議会の諮問などを経て、10月10日の県教育委員会議で議決された。
同石器の存在は、島のサンゴ礁の隆起の速さや縄文時代の活動を具体的に示しており、希少なだけでなく学術的価値も高い。同センターは「今後は消失が二度と起きないよう指定文化財の保護を最優先する」と述べ、「現地にあることの重要性とその価値の周知に重点を置き、町民全体で保護を図っていきたい」とした。
町指定文化財は「ヒメタツナミソウとその自生地」以来4年ぶり。51件目となる。

