自然と共生した建築について語る團紀彦氏(16日、奄美市笠利町の県奄美パーク)
自然共生型の建築手法を学ぶ文化講演会「奄美でつむぐ建築と文化」が16日、奄美市笠利町の県奄美パークであった。約130人が参加。東京都の複合商業施設、日本橋コレド室町の建設にデザインアーキテクト(設計者)として関わった世界的な建築家、團紀彦(だんのりひこ)氏が登壇。自然を極限まで生かした未来の建築の可能性を説いた。
講演会は、公益社団法人県建築士会の「2025年度支部連絡協議会 奄美・大島大会」が15、16の両日、16年ぶりに奄美市で開かれたことを記念し実現。
奄美を訪れるのは26年ぶりという團氏。「自然との共生には知識が必要」と切り出し、「竹林と松林が隣り合えば、いずれ竹が侵襲してしまうが、無骨な塀ではなく水路を通すことで共生できる」と解説した。
自身が手掛けた台湾各地の空港デザインなども紹介。台北桃園国際空港第1ターミナル改修では、古い建物を屋根で覆い、使われていなかった屋外テラスを活用しオーバーキャパの課題を解決、「昔と今を結びつけ、時間との共生が図れた」と話した。
團氏は、「地球はさまざまなパッチワークでできている。共生していくには、多元的な要素と創造力で1プラス1を3にしていくことが必要」とし、「奄美は美しい自然と品格ある文化をつむいでほしい」と話し講演を終えた。
県建築士会奄美・大島支部の重信千代乃支部長は「奄美大島の自然環境と文化を生かす新たな建築を考える機会となった」と話した。
15日に行われた支部長会議と支部連絡協議会は、「未来をつむぐ建築」をテーマに、建築DX(デジタルトランスフォーメーション)や建築におけるカーボンニュートラルについて意見交換。16日は記念講演の後、カトリック大笠利教会、笠利地区認定こども園、父母の家(奄美市)、みんなの診療所(龍郷町)など、奄美大島を代表する建築物の視察を実施した。

