県議会12月定例会は8日、引き続き一般質問があり、岩重礼議員=自民党、鹿児島市・鹿児島郡区=、岩重仁子議員=無所属、鹿児島市・鹿児島郡区=、柴立鉄平議員=自民党、鹿児島市・鹿児島郡区=、松山さおり議員=自民党、奄美市区=が登壇した。松山議員が取り上げた田中一村記念美術館の観光資源としての活用策について2027年には一村没後50年を迎えることから、これを契機とした旅行商品の造成やインバウンド誘客にも取り組んでいるとの答弁があった。
観光・文化スポーツ部の桑代毅彦部長の答弁によると、昨年9月から12月まで東京都美術館で開催された一村展では、奄美パーク内にある一村美術館から作品167点を貸し出し、一村の作品を最も多く収蔵する美術館としてその魅力をPR。それにより昨年9月から今年8月までの一村美術館の来場者数は前年同期比で約20%増加したと報告。桑代部長は「さらなる誘客を図るため、関東関西の旅行会社に対し没後50年等を契機とした旅行商品の造成を働きかけている。また、海外の富裕層をターゲットにした奄美大島の旅行モデルプランに一村記念美術館の見学を取り入れ、インバウンド誘客にも取り組んでいる」と述べた。
一村美術館のガイドスタッフについては「現在、専門のスタッフを設置していない」として、「来館者の満足度を高める観点から展示作品をより深く理解してもらうための仕組みづくりが重要と考えている」と答弁。ガイドスタッフの育成確保やデジタル技術の活用を含め展示作品の解説を充実させるため、どのような取り組みができるかさまざまな角度から検討していくとした。
国立ハンセン病療養所である奄美和光園の将来構想に関する質問があった。伊地知芳浩・保健福祉部長は、和光園は11年3月に将来構想を策定したと報告。これを踏まえ同年4月に皮膚科の一般外来が再開され、13年には一般病棟が設置されるなど「将来構想の一部が実現した」。将来構想策定後、和光園の場合、協議会は開催されていないが、伊地知部長は「現在、国、和光園、奄美市でワーキンググループを設置し歴史的建造物について保存方法などの検討を行っている」と述べた。
奄美で9月に行われた日米合同訓練について松山議員は「奄美大島での訓練で明け方に行われたため、不安を感じる住民がいた。こうした点への県の対応は」と質問。向井一幸・危機管理防災局長は「自衛隊の訓練に際し、国に対して地元の意向を尊重するとともに住民の安心安全の確保に万全を期すよう要請している。今後も機会あるごとに徹底した安全対策、地元への丁寧な情報提供を行うなど要請していく」と答弁した。
9日も一般質問がある。
