リュウキュウアユ過去2番目の多さ

リュウキュウアユ((c)鹿児島県環境技術協会 米沢俊彦)

冬の海水温が生息数直結

 「奄美リュウキュウアユ保全研究会」(会長・四宮明彦元鹿児島大学教授)は13日、奄美市住用総合支所で「数値検討会」を開いた。同大水産学部の久米元(げん)准教授(51)=魚類生態学=が5月の遡上(そじょう)個体数を8万4628匹、11月の産卵親魚個体数を79114匹と発表した。いずれも過去最多だった2015年に次ぐ多さで、久米准教授は「冬の海水温の低さが個体数に直結している傾向が明らかになった」と分析した。

 リュウキュウアユはアユの別亜種。環境省レッドデータで絶滅危惧ⅠA類に登録されている。調査は、鹿児島大学と琉球大学などが毎年実施。海で育った稚魚が遡上する5月と、産卵のため川の下流に集まる11月に潜水し調べている。 

 14河川で実施した遡上調査の結果は、役勝川3万4755匹、住用川3万1114匹、河内川(宇検村)1万4534匹、川内川3077匹など。

 15河川で実施した産卵親魚数の結果は、役勝川3万8176匹、住用川2万4322匹、河内川8574匹、川内川6496匹など。

 久米准教授は昨年の検討会で「サケ目のアユは高温に弱い。仔魚(しぎょ)は、20度を超すとほとんどが死んでしまう」と話していたが、今年は「沿岸部の海水温が低かったことが増加の大きな要因。河内川も河口部の環境がアユの生息に適した状態となり数を増やしている」と分析した。

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 検討会では、長崎大学元教授で同研究会員でもある井口恵一朗氏(66)が「固有種がつなぐ奄美の森と川」と題し講話。

 下流部に住むリュウキュウアユの安定同位体の調査などで、「シダ類やイヌビワが腸管から検出された。アマミノクロウサギはこれらを好んで食べる。川に流れ込んだクロウサギの糞(ふん)を食べている可能性が高い」と発表した。