「支援金」制度化も強く求められた「とくのしま被害者ネットワーク会議」=18日、徳之島署
【徳之島】徳之島警察署管内の「とくのしま被害者支援ネットワーク会議」が18日、同署会議室であった。管内3町が歩調をそろえた「犯罪被害者支援条例」制定(2023年4月施行)後、昨年11月に発生した殺人事件被害者遺族への見舞金や支援金など経済的支援の手が差し延べられない現状も重視。犯罪被害者遺族に寄り添った「支援金」制度の追加など、より実効性の高い条例への改正も求めた。
同署はじめ構成組織の徳之島3町行政・教育・医療・福祉などの関係機関・団体の代表ら約25人が出席。原口浩二署長は、管内3町が足並みをそろえた犯罪被害者支援条例の制定に感謝。その上で昨年11月に発生した保育士殺人事件に関して「被害者遺族は、捜査協力のために自宅を離れざるを得ず、急な転居費用や生活費の工面に困窮。制定された条例には『見舞金』や『貸付金』の制度が盛り込まれておらず、行政として直接的な金銭的支援ができなかった」など課題も吐露した。
同事案対応にあたった上妻隆文警務課長も「SNSでの誹謗中傷にも晒(さら)され、精神的に疲弊している遺族を目の当たりにした。せめて少額でも見舞金の支給ができれば、生活の安定と心の平穏に寄与できたのではないか」と、公的な金銭的支援の必要性を強く訴えた。
県警本部被害者支援室の當寺ヶ盛勉室長が警察活動における被害者支援の現状について、公益法人かごしま犯罪被害者支援センターの永家南州男事務局長が同センターの活動状況などについて講話した。
被害者が直面する「二次被害」の実態や、周囲の何気ない「頑張って」という言葉が負担になること。事件のショックから淡々と話す被害者の姿が「ショックを受けていない」と誤解される危険性なども指摘した。
犯罪被害者等基本法に基づく支援は「被害者の¬権利」であり自治体には支援を行う「義務」があると強調。県内でも鹿児島市や肝付町などで導入されている「支援金(見舞金)」や「転居費用助成」例を引き合いに、経済的支援が途切れない支援体制が鍵であるとも強調した。
被害者支援ネットワークの活用と今後の展望には、一か所の窓口で全ての手続きを完結させる「ワンストップサービス」の実現に向け、役場の各部署や関係機関が垣根を越えて連携することの重要性の再確認もアドバイスした。
警察庁作成の支援者向け研修ビデオも視聴後の質疑では、出席者から「支援条例が施行されたが行政職員や住民への浸透が不十分では」と自主研修や啓発の強化を要望。支援金条項は「地方公共団体の責務として制度の具体化を急ぐ必要がある」など意見があった。

