国内最高クラスEV急速充電器 民間主導で2拠点

世界自然遺産の島・徳之島の2か所に設置され、元日から運用開始するEV急速充電スタンド=23日、天城町浅間

世界自然遺産の島に
環境保護と移動利便性向上へ 徳之島

 【徳之島】世界自然遺産の島・徳之島で、電気自動車(EV)の普及を後押しする国内最高クラスの急速充電インフラが島内2か所に整備された。合同会社ULTRAパートナーズ(東京都港区)と渕上建設工業㈱(徳之島町亀津)が共同で設置したもので最大出力は180キロワット(kw)。試験稼働を経て、2026年1月1日から本格運用を開始する。

 同社の有住峻平マネージャーによると、設置場所は「タイムズカー徳之島空港店」(天城町)と「徳之島レンタカー亀徳新港店」(徳之島町)。いずれも24時間年中無休で利用でき、観光客や地域住民が安心してEVを選択できる環境づくりを目指す。同社の同拠点は北海道から宮古島まで全国約60か所目という。

 導入したのは「ULTRA EV CHARGER」製の急速充電器。90kw出力の2口を備え、合計最大180kwの高出力を誇る。U社の有住峻平マネージャーによると、国内で普及が進むEV車「日産リーフ」であれば約20分程度で満充電が可能で、島内移動における「電欠」への不安解消につながる。

 料金体系は、充電時間ではなく実際の使用電力量に応じて支払う従量課金制を採用し、単価は1kw時あたり80円(税別)。仮に日産リーフ(40kw時)を80%まで充電した場合、約2560円となり、ガソリン車と比べて走行コストを抑えられるという。

 決済は当初、専用アプリ「スポチャ」を利用したQRコード決済に対応し、今後はクレジットカードのタッチ決済や交通系ICカードにも対応する予定で、会員登録不要のセルフサービス化を進める。

 事業費は2拠点合計で3千万円超。自社資金に加え、経済産業省のクリーンエネルギー自動車導入促進補助金などを活用。潮風の影響を受けやすい離島環境を考慮し、耐塩害仕様としたほか、島内の電気主任技術者と契約して月1回の定期点検を行う。

 同島では現在、「サクラ」や「リーフ」など約10台程度のEVが走行中と予想。今回の充電インフラの整備がEV普及を後押しすると期待。EVは排気ガスを出さない点で環境負荷が低く、世界自然遺産の保全に資するだけでなく、「走る蓄電池」として災害時の非常用電源としての活用も可能だ。

 有住マネージャーは「環境保護と利便性の両立を図り、将来的には自動運転EVや防災機能の基盤としても役立てたい」としており、離島が抱える少子高齢化や交通、物流の課題解決への波及効果にも期待が集まりそうだ。