25年大島紬生産反数

 
 
 
107反減の2272反
減産止まらず
生産力低下、後継者育成が課題

 

 

 本場奄美大島紬協同組合(黒田康則理事長)は26日、2025年の製品検査業務を終え、本場奄美大島紬の生産実績をまとめた。25年の生産反数は前年比107反減の2272反で、前年から4・5%減少した。減少幅は緩やかだったものの、産地の後継者不足は喫緊の課題で、減産の流れは止まらなかった。

 生産反数を検査別にみると、経(たて)糸の密度で表す算(よみ)別は、15・5算1441反、13算831反だった。染色別では、泥1090反、化染944反、草木泥234反、泥アイ4反で、単色別は、単色1695反、色入り577反だった。

 経緯(たてよこ)別は、経緯絣1868反、緯絣404反で、製品男女別は、男物187反、女物2085反だった。大島紬を除く産地証明点数は前年比34%増の118反と増えた。

 月別の生産反数は、6月が218反と最も多く、次いで5月217反、7月209反と続いた。最も少ないのは2月の159反だった。

 減産傾向に歯止めがかからないのは、職人の高齢化や慢性的な人手不足から、産地全体の生産力が低下しているという見方もできる。人手が足りなければ、せっかくの需要に生産が追いつかなくなる。黒田理事長は「職人たちはフル稼働しており、これが現時点の産地のキャパ(生産能力)。需要はあり、つくったものはしっかりと出せている。課題は後継者育成。そこに力を注ぎたい」と話す。

 26年は、紬生産業者らでつくる県内3団体による産地ツアーも計画している。「実際に産地で消費者に職人を見てもらい紬の価値を高めていく。収入を増やさなければ、後継者育成もままならない個人の職人も多い。新たな販売機会をつくりながら、単価向上につなげていきたい」と力を込める。

 生産反数は、1972年の29万7628反をピークに減少が続き、87年に20万反、92年に10万反、2010年には1万反を切った。過去10年でも15年の5106反から半減している。