昨年12月までの果実分析では低糖低酸の傾向にあるタンカン。このところの気温の低下で品質の向上が期待さている(5日、奄美市名瀬本茶地区で)
奄美大島の特産果樹タンカンは来月から収穫期に入る。果実分析によると、昨年12月までの状況で品質は低糖低酸の傾向にあるものの、年末年始の気温の低下で向上が期待されている。今月9日には最終の分析があり、適地の正しい判断へ分析用果実の提出を生産農家に呼び掛けている。
サンプル調査となる果実品質分析はJAあまみ大島事業本部が行っている。毎年10月から月1回実施、管内市町村の農家から提供された果実のサイズ、糖度、クエン酸を測定している。
まとめによると、12月の分析では糖度の平均は9・5度で、10度に届いていない。前年度(24年度)より0・6度高かったものの、23年度より0・9度、21、22年度より1・2度低い。クエン酸の平均は1・26%。前年度より0・24高かったものの、23年度と同程度、21、22年度より0・09低い。クエン酸が残っていた方が今後の糖度の伸びが見込めるが、宇検、住用、瀬戸内は1・1%以下だった。
同月の状況について奄美市奄美大島選果場管理運営協議会のフルーツブランド確立推進員・熊本修さんは「全体的に糖度、クエン酸は過去5年間の中で2番目に低い数値。前年度産のような低糖低酸ではないものの、21~23年度よりは低糖低酸の傾向にある」と指摘する。気象から考察できる要因について9月と10月の高温(平年比)を挙げ、「平年なら気温の低下とともに果実に糖度が蓄積されるのに、気温が高いことで糖が呼吸による消耗に使われ、低糖低酸につながったと推測される」としている。
個別の数値をみた場合、園によるばらつきが見られ、全体では酸が低い住用、宇検、瀬戸内の3地区でも酸が1・3%以上の園もあるという。熊本さんは「今後も低糖低酸の傾向が続くのなら適地判定をして、タンカンが厳しい場所では津之輝(つのかがやき)等の導入検討を」とし、適地の正しい判断へ「分析用果実を提出することが大事。果実を提出する園は毎年限られるので、できるだけ多くの生産者が分析を依頼し、自分の園の果実品質の月別推移、年次別推移を把握してほしい」と呼び掛ける。生産農家数が多い名瀬地区でも提出数は45点(12月分析)にとどまっており、同じ農家の提出も多いことから積極的に果実分析を依頼する姿勢が求められそうだ。
なお今年度は「裏年」とされるが、生産量の見通しについて熊本さんは「着果状態は良好で肥大もしており順調。平年並みの量は確保されるのではないか」としている。

