アマミノクロウサギの交通事故は増加傾向が続いている

アマミノクロウサギの交通事故確認件数
奄美大島と徳之島にのみ生息する国の特別天然記念物アマミノクロウサギの交通事故が、2025年1年間で186件(奄美大島156件、徳之島30件)発生=速報値=、23年の175件(奄美大島147件、徳之島28件)を上回り過去最多となった。生息域が拡大し、道路上での遭遇率が高まっていることが主な原因とみられる。環境省は、「23年比半減」を目標に掲げ、▽カーブでの減速▽ハイビーム運転などをドライバーに呼び掛ける啓発活動を強化している。
アマミノクロウサギは、1979年に導入されたフイリマングース(特定外来生物)や野生化したネコ(ノネコ)などの影響で数を減らし、2000年初頭には2000~5000匹まで数を減らしたとされる。
その後、マングースが最後に捕獲された18年(4月)以降、生息数を急速に回復、21年には3万匹以上にまで回復したと推計されている。
交通事故確認件数が急増したのは20年以降。19年に47件(27件、20件)だった事故は、20年74件(56件、18件)、21年80件(62件、18件)、22年148件(107件、41件)、23年175件(147件、28件)、24年163件(121件、42件)と歯止めがかからない状態。
事故の要因の一つとされるのは、世界自然遺産登録(21年7月)で観光客が増えレンタカーが増加したことと、森林域の大規模開発がないことなどによる生息数・生息域の拡大。
夜間のドライバーに光で速度超過を知らせる装置(パトランプ)の実験が徳之島で始まるなど、多角的な対策も講じられ始めたが、抜本的な解決には至っていない。
環境省奄美野生生物保護センターの鈴木真理子希少種保護増殖等専門員は「昨年は、奄美市住用地区での発生が目立った。生息域が広がり、23年には報告のなかった瀬戸内町嘉鉄や小名瀬などでも事故が発生している。夜間走行時には、減速運転とハイビームを心掛け、森がつながっている道路では特に注意してほしい」と呼び掛けた。

