「ましゅ屋」で伝統の自然海塩づくりも体験(企業研修型ワーケーション参加者たち)=21日、伊仙町西犬田布で
【徳之島】伊仙町は20日、町内初となる企業研修型ワーケーション「伊仙町ワデュケーションプログラム」をスタートさせた。3泊4日の日程で、首都圏などの企業に勤める社員ら男女12人が参加。同町の豊かな自然や農業、文化といった地域資源を「教材」に企画力の向上を図り、その成果を地域へ還元する。町は初開催をたたき台に、持続的な関係人口の創出につなげたい考えだ。
同プログラムは、観光や休養を主目的とする従来のワーケーションとは異なり、地域の現場課題に直接触れる「実践型」の企業研修である点が特徴。伊仙町未来創生課とNTT東日本㈱の地域循環型ミライ研究所が連携し実施。参加者は地元事業者や活動家との交流、フィールドワークを通して、伊仙町の日常や課題を深く掘り下げ、最終日には気付きを基にした企画案を発表する予定だ。
一行は20日夕、オリエンテーション後に町役場で町職員や地域事業者と対談。2日目の21日は、町サテライトオフィス(伊仙)でのヤシ科ビロウの葉を使った伝統工芸「クバカゴ」の制作や「ましゅ屋」(西犬田布)での自然海塩づくり体験、国史跡「カムィヤキ陶器窯跡」(阿三)などを巡り理解を深めた。
うち「ましゅ屋」では、故・水本龍太郎さんの後継者の中岡克成さん(55)=大阪府出身=と塩職人の富樫牧夫さん(埼玉県、㈱ブラン塩事業部企画開発本部長)が対応。生態系豊かなサンゴ礁の海「ミヤトーバル海岸」から取水し、「自然石敷天日平窯製法」で作られる希少な塩の多様さに、参加者は感嘆の声を上げた。伝統の塩田跡が残る同海岸も見学した。
参加者の森田真由子さん(43)=埼玉県=は「昨夏に奄美大島から西表島まで旅をした中で、最も手つかずで魅力を感じたのが徳之島。闘牛文化や、島全体で子どもを育てる風土が色濃く残っている」と話し、「島の人たちと深くつながり、魅力を島外へ伝える方法を模索したい」と目を輝かせていた。
町未来創生課の椛山優太郎係長(37)は「研修を一過性のイベントで終わらせず、企業や参加者との継続的な関係を築き、関係人口の創出につなげたい」と強調。「教材」を多くの分野に広げて企業人材育成、地域活性化の双方に資する研修モデルの構築にも意欲を示した。
22日はサテライトオフィスでのワークショップや島内自由見学、プレゼンテーション作成。最終23日午前に同プレゼンなどを予定している。

