三つの偶然重なり感慨深さ

父親の命日に開かれた奄美群島かんきつ振興大会で、父親と同じ優秀農家として同じ会場で表彰された徳之島町の松本幸徳さん

群島かんきつ振興大会 優秀農家表彰の松本さん(徳之島町)
第1回表彰の父と同じ、同じ会場、命日

 第6回奄美群島かんきつ振興大会が23日、龍郷町の体育・文化センターりゅうゆう館で開かれたが、優秀農家として表彰された徳之島町の松本幸徳(ゆきのり)さん(64)は三つの偶然が重なった。亡くなった父親も第1回大会で同じ表彰を受け、しかも会場も同じ。さらにこの日(1月23日)は父親の命日だった。

 大会功労者等表彰で松本さんは優秀農家部門で受賞。表彰理由は、県の指導農業士として果樹の栽培技術指導などを通じた後継者育成に加え、徳之島町柑橘(かんきつ)生産組合及びJAあまみ徳之島地区果樹部会の役員(会長)として部会活動に積極的に取り組んでいる点。身に付けている高い栽培技術を若い農家に継承。地域農業を担う後継者の確保・育成や生産部会活動の活性化に取り組んでおり、果樹産地の発展に貢献している。

 父親の幸雄さんは2年前に90歳で死去したが、受賞したのは27年前の1999年11月28日に龍郷町で開かれた第1回大会。奄美市の平井學さんと共に優秀農家として表彰された。松本さんは「この受賞をきっかけに父は奄美大島の果樹農家の皆さんと付き合うようになった。私は25年前に帰島したが、父の縁により私も奄美大島の先輩方(平井さん、大海昌平さん)からタンカン栽培に関するいろんなことを教えてもらった。取り組みが手本になった」と振り返る。防風樹(防風垣)を整備しての防風対策など園の状況だけでなく、「何よりも果樹農業一本で一生懸命に取り組む姿勢がとても参考になった。こうした親の姿が息子さんにも引き継がれ、同じ後継者として共有できるものがあった」と松本さん。

 「ありがたかった」と言うのが、「オープンに何でも教えてくれた」平井さんや大海さんらの人柄。農家ならではの実体験に基づいた果樹栽培の技術、知識の説明・指導により習得につながった。松本さんは奄美大島の若手後継者らが定期的に開催した集まり(勉強会)にも徳之島から駆け付け参加、意見交換など交流の場にもなった。

 父親の受賞が契機となった果樹農家としての成長。第6回大会で同じ賞で表彰されたことについて松本さんは「父は今の自分より若い時に受賞していると思う。(父に)追いついたかなという思い」と受賞を喜び、数々の偶然が重なったことについては「感慨深い」と語った。

 功労者表彰で松本さん以外の受賞者は次の通り。(敬称略)

 優秀農家=宏洲浩三(龍郷町)▽タンカン振興功労者=是枝純一(徳之島町)