徳之島「メリクローンセンター」閉鎖へ

28年間にわたりサトウキビ種苗の生産・販売を担ってきた「メリクローンセンター」(育苗ハウス、円内は培養棟)=27日、天城町瀬滝

設備老朽化・人員不足・ニーズ低下 28年の歴史に幕

 【徳之島】徳之島さとうきび培養苗実用化推進機構(会長・高岡秀規徳之島町長)は、サトウキビのメリクローン苗及び補植用ポット苗(1芽苗)を生産・販売してきた「メリクローンセンター」(天城町瀬滝、同町農業センター敷地内)を、今年6月までに閉鎖する方針を決めた。27日、同農業センターで開かれた徳之島さとうきび生産対策本部運営企画委員会で報告された。

 同メリクローンセンターは、徳之島3町行政、JAあまみ、南西糖業㈱(事務局)の3者出資による第三セクター方式で運営。キビ農家の減少や労力不足に対応し、採苗・調苗作業の省力化や優良種苗の安定供給を目的に、約28年間にわたり島内の農家を支えてきた。

 報告によると、今月13日に開かれた同機構役員会で閉鎖方針を確認。背景には、設備の老朽化や人員不足による生産力の低下に加え、今後さらなる財務悪化が見込まれることなどがある。5月末で南西糖業㈱との業務委託契約を解消し、実質的な生産・販売を停止。6月の同機構総会で正式承認を得た後、2026年度は債権債務の整理や機器処分を進め、9月をめどに機構を解散する予定という。

 閉鎖に至る要因として、①2015年度に計18万4千本の生産販売を達成した後、販売数量が徐々に減少したこと、②「農林8号」以外の品種は増殖が難しく安定生産が困難なこと、③設備老朽化と人材・人員不足が深刻化し、2024年度の生産量が6万2千本まで落ち込んだこと、④夏植え面積を含む新植の伸び悩みにより購入需要が低下したこと――など挙げている。

 また、設置から28年が経過し、無菌培養棟や育苗ハウスの老朽化も進行。設備更新には2億円以上が必要と試算されている。収支改善策として苗単価を現行の約2倍となる「1本40円」とする案について実施したアンケートでは、回答農家の97%が「利用しない」とし、需要面での厳しさも浮き彫りとなった。

 同センターは2月20日まで予約を受け付け、5月31日で閉鎖。メリクローン苗及びポット苗(1芽苗)の販売を終了する。近く各町当局を通じて全農家に周知として理解を求めるという。

 今後の種苗確保策としては、種子島のキビ種苗センターから供給される原々種苗の有効活用をさらに進める方針。