実証で見えた「移動の需要」と課題

公共ライドシェア実証運行の結果を基に協議した天城町地域公共交通会議=27日、同町役場

満足度高く本格運行へ整理
天城町公共ライドシェア

 【徳之島】第3回天城町地域公共交通会議(会長・森田弘光町長)が27日、同町役場で開かれ、昨年11月から2か月間実施した「公共ライドシェア」実証運行の結果を報告。利用者からは高い満足度と継続を望む声が相次いだ一方、持続可能な運営体制の構築や既存交通サービスとの役割分担など、10月の本格運行開始に向けた課題も浮き彫りとなった。

 会議には国交省鹿児島運輸支局、県総合政策部交通政策課、島内関係機関・団体代表ら約20人が出席。実証運行は町内移動限定の「ドアトゥドア型」とし、日中(月~金曜午前10時~午後5時、中学生以上500円)は徳之島総合陸運㈱、夜間(木・金・土曜午後6時~同11時、同700円)は町商工会がそれぞれ実証運行を担った。

 報告によると、利用実績は日中56人、夜間94人。特に夜間は忘年会シーズンと重なった11月下旬以降に利用が急増し、1日10人を超える日も。利用者アンケートでは運賃について94・1%が「妥当・安い」と回答。「非常に便利」「継続してほしい」など肯定的な意見が多く寄せられ、特に夜間は飲食店への往復利用が目立ち、地域経済の好循環を後押しする可能性も示唆された。

 一方、課題としては、①デマンドバスなど既存サービスとの違いが分かりにくく、役割分担の明確化や統合の検討が必要、②夜間運行で商工会職員が深夜まで対応するなど本業への支障が生じており、専門人材の確保が不可欠、③町外移動ニーズへの対応や路線バスとの補完関係の整理、④空港利用時の大型荷物積載スペースの確保、⑤アプリ予約やキャッシュレス決済導入に伴うコストと高齢者利便性の両立――などが挙げられた。

 協議では、国の補助金(地域公共交通確保維持改善事業)を活用し、10月1日の本格運行開始を目指すスケジュール案を承認。鹿児島運輸局の担当者は「補助金活用には6月までの協議完了が必要。住民や関係団体と連携し、地域にとって本当に必要な形を作り上げることが重要」。町社会福祉協議会からは「無償に近い形での協力は長続きしない。持続可能な仕組みづくりを」と、財政・労務両面で慎重な検討を求める声が上がった。

 町は今後、6月頃までに運行体制の最終調整を行い、地域の実情に即した「持続可能な移動手段」の確立を急ぐ方針だ。