2025年度産「奄美たんかん」の収穫開始をアピールする、はさみ入れ式が龍郷町戸口の宏洲浩三さんの果樹園で行われた
2025年度産「奄美たんかん」はさみ入れ式(JAあまみ大島事業本部主催)が1日、龍郷町戸口の宏洲(ひろしま)浩三さん(64)の果樹園であった。昨年12月までの果実品質分析では低糖低酸傾向にあったが、年明け以降の寒による冷え込み・寒暖差で持ち直し、品質は平年並みの良い仕上がり。産地としての評価につながる共販量を増やすため、生産者が一丸となった出荷取り組みが呼び掛けられた。
果樹園見学も目的とした生産者のほか、県・市町村の行政機関、JA関係者が出席した。
式では生産者を代表してJA生産部会連絡協議会専門果樹部会の藤村秀久部会長があいさつ、奄美大島で生産されている特産果樹タンカンを求める声、需要は年々増えているとして「島全体で産地として出荷していくことが重要。その目安となる共販量を増やしていこう」と強調するとともに、アマミノクロウサギによる樹皮食害が拡大している中、希少種とのすみ分けによる共存共栄を挙げた。
開催地・龍郷町の竹田泰典町長、県大島支庁農政普及課の中(あたり)実課長が来賓祝辞。本格的な収穫シーズンを迎えた中でタンカンに対し「奄美の文化・観光経済も支える作物」としての期待で生産者を激励。出荷については「着果状態も良好で昨年度を上回る出荷量が見込まれている。光センサー選果場を利用し品質が安定した果実を出荷することで、全国にある他の中晩柑(ちゅうばんかん)類の中でも高い値段で取引される」とした。
戸口集落の奥、山裾にある宏洲さんの果樹園は採石場跡で、20年ぐらいかけて現在の状況に造成。経営規模はタンカン35㌃、津之輝(つのかがやき)15㌃の計50㌃。防風樹としてイヌマキを植栽、樹間は広め。建設業を営みながら親から継承した園地での栽培で、建設業のため重機などを活用した園地管理が可能という。宏洲さんは「行政の支援により島外産地研修に参加できたことが栽培面で勉強になった。さまざまな課題に向き合い、工夫によって乗り越えて着果を安定させ、品質のいいタンカンを生産していきたい」と述べた。
「奄美たんかん」集出荷開始を告げるはさみ入れ後、JA大島事業本部・伊集院巌統括理事が順調な作業を願い乾杯を行った。
JAによると、奄美市名瀬朝戸にある奄美大島選果場には平場(下場)にある果樹園からは持ち込みが始まっており、7日までの今週が収穫期。それ以降になると果実の品質が低下するという。山場(上場)は10日以降が収穫期で、果樹技術指導員の大山綱治さんは「小黒点(果実に非常に小さい黒い斑点が発生)により色がついていないように見えるが、下場の方は今週中に収穫を終えてもらいたい。自分の園の収穫適期の把握は、果実分析によって判断できる。多くの生産者が果実分析の必要性を理解してほしい。収穫後はすぐにお礼肥料(施肥)を」と指摘する。
JAの共販計画は64㌧、キロ単価806円、3597万5千円の取扱額を目標としている。選果のみの委託計画は129㌧。

