奄美・沖縄交流経済も

奄美群島の特産品・黒糖焼酎の販路開拓は海外も視野に進められているが、沖縄の物流ハブ機能を活用して輸出促進を図る事業が新たに進められる(資料写真)

物流ハブ機能活用し輸出促進事業創出へ企業間交流
自然は遺産地域で体験型学習
26年度県予算案奄美関係

 10日発表された県の2026年度当初予算案の新規・拡充で奄美関係では、沖縄との交流で経済関係の事業が進められる。沖縄の物流ハブ(中心)機能を活用した群島産品の輸出促進や、事業創出に向けた両地域の事業者間交流を図る。世界自然遺産に登録されて5周年となる中、自然体験型交流学習も計画されている。

 新規の奄美・沖縄経済交流事業は1044万円を計上。奄美群島産品輸出促進と事業創出に向けた企業間交流の二つの事業を展開する。輸出促進は中国や台湾、東南アジアなど海外と結ばれている沖縄の物流ハブ機能を活用するもの。沖縄の輸出商社を招いたセミナーの開催や、「沖縄大交易会」への出展支援などを行う。販路拡大・輸出促進課によると、同交易会は毎年秋頃に開催されており、日本でも有数の規模を誇り国内外のバイヤーが参加する。奄美群島の産品としては、すでに海外への輸出が行われている黒糖焼酎だけでなく、埋もれたものなどセミナーを通して輸出可能性を探ったり、事業所の掘り起こしを目指す。

 企業間交流は、奄美と沖縄の多様な業種の事業者間の交流を図り、群島における新事業創出などを促進するビジネスセミナーを開催する。新産業創出室によると、セミナーの開催時期は秋口を予定。沖縄側、奄美側の参加事業者を掘り起こし、第1回目は奄美大島での開催を計画している。異業種の交流に特化、既存の事業の枠を越えて新たな事業の展開につなげる。

 奄美世界自然遺産保全・活用推進事業は4973万1千円を計上。自然環境の適切な保全と利用の両立を図るため、利用ルールの運用やアマミノクロウサギと地域との共生の推進などに取り組む。自然保護課奄美世界自然遺産室によると、このほか新規に遺産登録5周年記念シンポジウムを県の事業として開催や、遺産地域である奄美と沖縄(沖縄島北部のやんばる地域、西表島)で暮らす子どもたちの自然体験型学習の実施などを通じて普及啓発を行う。シンポの開催地、子どもたちの対象など詳細は今後検討する。

 このほか奄美関係の主な事業内容は次の通り。

 へき地等診療所承継・開業支援事業(新規・9782万3千円)=医師数が少ない二次医療圏等(重点医師偏在対策支援区域)における診療所の承継または開業にかかる施設・設備整備費及び運営費の一部助成▽衛星×AIによる離島・広域災害対応迅速化事業(新規・759万円)=離島や山間部を多く有する本県において災害の規模や影響を迅速に把握するため、衛星画像を活用し、災害前後の状況を比較し浸水範囲や土砂崩れの範囲などをAIにより自動検出する災害対応システムの導入▽奄美群島航路運賃軽減事業(拡充・2億8461万9千円)=鹿児島―奄美群島間、奄美群島―沖縄間等の移動コストの負担軽減を図るため、奄美群島の住民等を対象とした航路運賃に対し、一部助成を行う。準住民(学生や介護帰省者)を助成対象とする路線について、これまでの鹿児島―奄美群島間に加え、奄美群島―沖縄間等を追加する▽奄美群島航空運賃軽減事業(拡充・8億5599万6千円)=事業内容は航路運賃軽減と同じ▽大島支庁庁舎整備事業(新規・1696万3千円)=新庁舎の整備にあたり、庁舎に導入する機能や施設計画、事業スケジュールなどを盛り込んだ基本計画の策定▽子ども食堂物価高騰対策事業(新規・2089万8千円)=物価上昇の中でも量や質の確保された食事の提供等、安定的な運営を行えるよう、食材費などにかかわる経費の一部支援