龍郷町・大勝小 自然環境を考える授業

「外来種は悪くない。命は同じ」と語り掛ける阿部さん(18日、龍郷町の大勝小学校)

「守れるのは人間だけ」

 龍郷町の大勝小学校(徳永由美子校長、児童144人)で18日、奄美大島の自然の成り立ちや保全の必要性を学ぶ「自然環境を考える会」があった。全児童に加え近隣住民も参加。二人の講師が、開発行為によって破壊されかけた自然を「裁判」という手段で阻止した住民の話や、人為的に持ち込まれ、希少生物に大きな影響を及ぼした特定外来生物フイリマング―ス根絶までの45年の歴史を語った。

 奄美大島や世界の自然環境を考え、命の大切さを学ぶ授業。1~4年生対象の講演は、奄美市住用町にある奄美大島世界遺産センターの森山和也さん(45)の「奄美の森の宝物を守った人たちのお話」。

 アマミノクロウサギなどの動物を原告とした「奄美自然の権利訴訟」(1995年提訴)を取り上げ、「ルリカケスがすむ森が開発されようとしていた」と話した。

 裁判は、2001年に「原告適格」が認められず棄却されたが、「日本中の人が奄美大島の自然を知るきっかけになった。もの言えぬ動物に変わり、自然を守るのは人間しかいない」と訴えた。

 また、同小の児童が15年に作った絵本「ネコはお外にいていいの?」を、「世界自然遺産登録の一因となった〝伝説〟の存在」と紹介。「ネコは家の中、野生生物は外で暮らすのが奄美大島の自然の在り方」と説いた。

 4~6年生を対象とした講演は、環境省の職員としてマングース根絶に36年の人生を注いだ奄美哺乳類(ほにゅうるい)研究会の阿部愼太郎さん(61)が登壇。最大1万匹に増えたと言われるマングース根絶の歴史を説明した。

 阿部さんは「在来種は回復した。だが、この間約3万2千匹のマングースを殺すことになった」「外来種には罪はない。人間によって引き起こされる同様の問題はこれからも続くだろう。自然を残す大切さを理解し、関わっていってほしい」と語り掛けた。

 昆虫が好きで大和村の野生生物保護センターなどもよく訪れるという6年の安田晴大(はるひ)君(12)は「クロウサギのフンを食べるマルダイコクコガネなどが興味深い。昆虫全般の観察を続けたいので、奄美の自然環境は残してほしい」と話した。