美しい砂浜に侵入・繁殖していたモクマオウの稚樹を抜き取るボランティア=19日午前、伊仙町喜念浜海岸
【徳之島】徳之島建設業協会(豊村友二会長、会員57社)は19日、奄美群島国立公園の第二種特別地域に指定されている伊仙町喜念浜海岸で、外来種の「モクマオウ」の稚樹と「ポトス(オウゴンカズラ)」の駆除作業を行った。世界自然遺産登録5周年、来年の国立公園指定10周年を見据え、同島を代表する景勝地の自然景観保護と生態系保全に貢献した。
喜念浜海岸の砂丘部後背地は、かつて防風・防潮林として持ち込まれたモクマオウがグリーンベルトを形成している。一方で、種子の拡散により沖側の砂浜にも稚樹が侵入し、繁殖が進行。自然保護団体や高校生ら人海戦術による抜き取り作業が行われているが、数年単位で繰り返し〝いたちごっこ〟状態が続いている。
さらに、防風林内では園芸植物のせん定枝投棄が原因とみられるポトスが野生化し大繁殖。侵略的外来種同士であるモクマオウに、県外来種リスト「重点啓発種」指定のポトスが絡みつきながら自生状態で勢力を保ち異様な光景が定着。在来生態系への深刻な影響が懸念されている。
今回の駆除ボランティア作業は、環境省徳之島管理官事務所の要請に同協会が呼応した。協会会員各社がショベルカーなどの重機や運搬トラックを持ち込み、約70人を派遣した。同管理官事務所や世界自然遺産センターの職員らを含め、計80人が参加した。
午前中は、東西約1㌔の範囲内で、砂浜に侵入してコロニー状に繁殖したモクマオウ稚樹の抜き取り作業に力を合わせた。併せて防風・防潮林内の遊歩道沿いに繁茂した枝葉や雑草の除去も実施。午後からは、防風林の一角の林床を覆い尽くし樹上にまではい上がったポトスの一掃作業に取り組んだ。
環境省徳之島管理官事務所の大谷慧管理官(31)は「本来は砂浜であるべき場所に外来種のモクマオウが侵入し、美しい景観が失われつつあった。保安林としての機能を維持しながら、アダンなど在来植物が生育できる環境を再生することが重要。建設業協会をはじめとする関係者の協力に感謝したい」と話した。
また、近隣でバンガローを運営する折田耕栄さん(64)は「個人でも除草に取り組んできたが、規模が大きく限界を感じていた。今回の活動には感謝しかない」と語った。

