自力で世界自然遺産の島・徳之島の「井之川岳」に登頂した優海ちゃん(3歳)ら大保さん家族(提供写真)

倒木にも悪戦苦闘しつつ最後まで自力で挑戦した(提供写真)
【徳之島】徳之島の最高峰「井之川岳」(645㍍)に、頼もしい最年少ハイカーが誕生した。伊仙町に住む大保優海(ゆうみ)ちゃん(3歳8か月)が2月21日、徳之島町の大原登山口から山頂まで一度も抱っこされることなく、自分の足だけで登り切った。〝世界の宝〟の大自然に抱かれて小さな挑戦心を開花させ、ファミリーで思い出を刻み合った。
この日、優海ちゃんは両親や地元住民ら総勢16人の仲間に囲まれ、一歩一歩踏み出した。頂上までの道のりは約2時間半。大人でも息が切れる急勾配や不安定な足場が続く。優海ちゃんは細い登山道に立ちはだかる倒木に悪戦苦闘しつつも弱音を吐くこともなく、危険箇所のみ、手をつないで安全サポートを受けながら、頂上まで自力で歩き切った。
世界自然遺産の島のコア地域であり、奄美群島国立公園特別保護地区でもある深い森は、子どもにとっては巨大な遊び場だ。道端で見つけたノシランの鮮やかな実を眺めたり、サクラツツジの花に触れたり。落ち葉やツルを遊び道具に変えながら、五感で自然を楽しみ、力強く歩みを進めた。
山頂では眼下に広がる雄大な景色を前に優海ちゃんは「自分で登れてうれしかった」と、達成感あふれる満面の笑みを見せた。
井之川岳は同島内では人気の登山コースだが、自力登頂は5~6歳の年長児が一般的で、3歳での快挙は極めて珍しい。かつて日本アルプスなどに登ってきた登山愛好家の父・健司さん(38)も「不安もあったが見守っていた。子どもの持つ可能性に心から感動した。いつか娘と一緒に日本アルプスにも挑戦できたら」と目を細めた。
海や山に囲まれた徳之島。健司さん(和歌山県出身)は全国約70の島を巡った末に同島に家族で移住。「島の自然の中で育つ経験がこれからの自信や生きる力につながってほしい」。小さな背中が踏みしめた一歩一歩は大きな自信という宝物になったようだ。

