連絡会議では、架空予約を繰り返す事業者の存在が明らかになった(6日、奄美市役所)
夜間、希少生物を観察できる観光スポットとして人気の奄美市住用町にある市道三太郎線(約12㌔の自然道)の利用ルールを協議する「2025年度奄美大島三太郎線周辺における夜間利用適正化連絡会議」(環境省主催)が6日、奄美市役所であった。関係者約40人(オンライン含む)が参加。ルールが適用された21年10月から4年間の運用状況を報告、今後の改定に向けて意見を交わした。
連絡会議は、県、市、地元町内会、観光業者などで構成。ナイトツアー実施時の事前予約制、通行制限(30分おきに1~2台ずつ入域)など自主ルールを定め、オーバーツーリズムの抑制や希少生物の保護に努めてきた。
報告によると、ルール運用1年目(21年10月29日~22年10月)3751台だった予約件数は3年間ほぼ同水準で推移したものの、4年目(24~25年)に4241件に増加。
このうち、予約したものの利用しなかった「無断キャンセル」の台数は3年間の平均で450台(約11~13%)だったが、4年目に873件と急増した。
分析では、こうした行為は大型連休のある5月に急増(75件)、7月以降103件、132件、188件、159件と常態化した。事前に複数枠を予約し、1枠だけを利用する悪質なガイド事業者がいることが分かっており、年間50回以上の無断キャンセルをする事業者もいた。
事務局は、奄美大島エコツアーガイド連絡協議会を通じ呼び掛けを実施、個別の注意喚起を行うなどの措置をとったと報告した。
連絡会議の加盟団体からは、予約停止措置や罰則の導入などを望む声が上がったが、事務局は「自主ルールとしての運用であり、罰則設定は難しい」との考えを示した。
名瀬市街地に近く利用者が増えている和瀬線(名瀬朝戸~住用町和瀬)は、25年8月8~10日の3日間に87台が入域。三太郎線のようなルールがないため、車両同士のすれ違い時などにトラブルが発生していることが確認された。
アマミノクロウサギとの遭遇率は、両線とも100%。固有ネズミ、鳥類、は虫類、両生類との遭遇率は、いずれも三太郎線の方が高かった。
環境省奄美群島国立公園管理事務所の広野行男所長は「三太郎線でのアマミノクロウサギのロードキル(交通事故死)件数が4年目に初めてゼロになった。利用状況を考慮し、地域に沿った利用ルールの在り方を考えていきたい」と話した。

