バレイショ試作し収穫

奄美市笠利町節田にある農地でトラクターを使いバレイショの初収穫が行われた

 

 

作付品種は煮物に適している「ニシユタカ」。船便で長崎県にある青果業者に出荷される

 

 

 

笠利町節田 奄美大島での可能性探る

 

 

 

 徳之島や沖永良部島で盛んなバレイショ生産を奄美大島でも本格化できないかと、奄美市笠利町節田の農地で試作が行われている。14、15日の土日は50㌃で約8㌧の収穫があり、長崎県の青果業者へ出荷する。換金性の高さに着目し、普及を図りたい考えだ。

 取り組んでいるのは奄美市名瀬の農業生産法人㈱サザンファーム(重久博雅代表)。ハウスを整備してのマンゴー生産に取り組んでいるが、「奄美大島は徳之島と同じ粘土質の赤土。サトウキビ農業が盛んな徳之島ではバレイショも大規模に行われている。奄美大島でも作付できないか」(重久代表)として乗り出した。

 作付品種は長崎県の試験研究機関が育成した「ニシユタカ」。同県や福岡県、鹿児島県など西日本が主な産地となっている。イモの成長が早く収穫量も多いのが特徴。皮の色は淡い黄色で、果肉も淡い黄色。肉質は粘質ぎみで、荷崩れしにくく、肉じゃがなど煮物に適しているという。

 種イモを取り寄せて昨年11月に植え付け。購入したトラクターで農地を耕し土づくりに注意するとともに、植え付けや肥料をまく作業も機械で行った。重久代表は「植え付けから100日目で収穫を迎えた。土日に合わせて友人らに手伝ってもらい、天候に恵まれたことで集中的に初収穫ができた」と語る。農地は節田集落の高台にあり、トラクターで掘り起こしたバレイショを一つ一つ拾い上げる作業が見られた。今後も収穫は続き20㌧の収量を見込んでいる。

 「今回はここで収穫できるかの試作。本格的に取り組み、面積をさらに増やして雇用を目指していきたい」と重久代表。笠利町の畑作はサトウキビが柱。「キビが作付されている農地でバレイショも複合できないが。周囲にキビがあると防風対策に役立つ。二つの作物により農家の収益を向上させたい」。自らの実践で普及を図りたい考えで販売ルートについては確立しているという。

 県大島支庁発行の『奄美群島の概況』によると、バレイショは県内における早出しの先発産地として定着。2022年度の作付面積では、バレイショは野菜全体の82・2%を占める。群島全体の生産量は2万4472㌧で、農業産出額は58億4015万9千円。島別にみた場合、徳之島が1万1594㌧・24億2645万9千円、沖永良部島が1万2813㌧・34億526万2千円。2島が占める割合は生産量で99・73%、農業産出額で99・86%とほとんどとなっている。